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発売から20年、名機「ゲームボーイアドバンス」 SFCタイトルが豊富に蘇る

2001年3月21日、携帯ゲーム機「ゲームボーイアドバンス」が任天堂から発売されました。先輩機である「ゲームボーイ」から格段に進化しながらも互換性があるという使い勝手の良さ。「スーパーファミコン」の名作が続々と移植されたのも特徴です。

携帯ゲーム機市場を牽引した「ゲームボーイアドバンス」

「ゲームボーイアドバンス ミルキーピンク」(任天堂)
「ゲームボーイアドバンス ミルキーピンク」(任天堂)

 2021年3月21日は、携帯ゲーム機「ゲームボーイアドバンス」(以下、GBA)の記念すべき20回目の誕生日です。先輩機の「ゲームボーイ」(以下、GB)が発売されたのは1989年4月21日。そして約12年の現役を終えたGBに変わって登場したのがGBA。発売初日に『スーパーマリオアドバンス』や『F-ZERO FOR GAMEBOY ADVANCE』などを含むローンチタイトル25本を引っさげ、初週から本体売上60万台を叩き出しました。

 GBから格段に進化したグラフィック処理能力と32ビットCPU、並びにGBのソフトもこれまで同様に遊べる互換性を武器とし、携帯ゲーム機市場を牽引する存在として、大勢のユーザーから期待の声を集めたGBA。その後、売上600万本を超えるメガヒットタイトル『ポケットモンスター ルビー・サファイア』(2002年11月21日/ポケモン)が登場し、『ロックマンエグゼ』(2001年3月21日/カプコン)や『逆転裁判』(2001年10月21日/カプコン)などなど、今でも根強く愛される名シリーズもこの時代に産声を上げました。

 しかしGBAのソフトラインナップを支えていたのは、何もオリジナルタイトルや各シリーズのナンバリングタイトルだけではありません。ハード発売初期を皮切りに、後継機「ニンテンドーDS」(以下、DS)へ現役の座を決定的に譲るまで、実に多種多様な過去作がGBAへ移植されました。

ゲームボーイアドバンスで復活を果たしたスーファミの名作ソフト

 移植作・リメイク作のなかで特に目立ったのは、「スーパーファミコン」(以下、SFC)専用ソフトからの供給です。GBAのハード性能によってSFC専用ソフトを移植 or リメイクできる環境が整ったからか、参入メーカーの多くが移植作・リメイク作の発売に身を乗り出したのです。

 まずは任天堂の事例を見てみましょう。GBA発売から9か月後に送り出された『スーパーマリオアドバンス2』(2001年12月14日)では、SFCのローンチタイトル『スーパーマリオワールド』を移植し、複数人で楽しめる『マリオブラザーズ』も同時収録。こちらのシリーズは次回作の『スーパーマリオアドバンス3』(2002年9月20日)も含め、過去の「スーパーマリオ」作品を手堅く移植しています。こうしたマリオ系列のみならず、任天堂は『スーパードンキーコング』(2003年12月12日)もシリーズ全3作をGBA専用ソフトとしてカバー。ハズレのない王道のアクションゲームでソフトラインナップの拡充をうながした……という印象です。

 続いて特徴的なのが『ゼルダの伝説 神々のトライフォース&4つの剣』(2003年3月14日)。こちらはSFC初期の同名タイトルの移植版に加え、2~4人で謎解きやダンジョン攻略に挑む新作タイトル「4つの剣」を収録。シングルプレイで「神々のトライフォース」に挑戦し、友達同士で集まった際に「4つの剣」を起動する……といった具合に、単なる名作の移植にとどまらず、ふたつのタイトルが相互に関わり合うことで新たな付加価値が生まれています。同様に2本のタイトルをドッキングした例を挙げるならば、超能力に長けた少年が世界を巡る名作RPG『MOTHER1+2』も当てはまるかもしれません。

 上記タイトルはいずれも任天堂の直系ですが、サードパーティーからも移植・リメイク作が発売されたのは言うまでもないでしょう。『ロックマン&フォルテ』(2002年8月10日/カプコン)、『真・女神転生』(2003年3月28日/アトラス)、『テイルズ オブ ファンタジア』(2003年8月1日/ナムコ)、初代から6作目まで順番にパッケージ化した「ファイナルファンタジー」シリーズ(2004年7月~2006年11月/スクウェア・エニックス)などなど、どのメーカーも各々が手掛けた人気タイトルをジャンル問わずピックアップ。GBA向けに操作方法の最適化、および追加要素の実装を施した上で世に送り出したのです。

 今回取り上げた移植・リメイク作品はもちろんのこと、隠れた秀作に人気シリーズの大ヒットタイトルなどなど、GBからDSへバトンを渡すまでに彩り豊かなラインナップに囲まれたGBA。昨今はスマートフォンでアプリゲームが遊べるため、”携帯ゲーム機”と呼ばれるジャンルが既に縮小しつつありますが……リアルタイムでGBAに親しんだ方々は、この機会に当時の思い出を振り返ってみてはいかがでしょうか。

(龍田優貴)

【画像】カラーを選ぶのも楽しかった「ゲームボーイアドバンス」

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