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3月24日はTVアニメ『タッチ』の放送日。物語を動かした「死の影」の衝撃

1985年3月24日は、TVアニメ『タッチ』の放送が開始された日です。原作はあだち充先生。双子の兄弟である上杉達也と和也、そして幼なじみの浅倉南の三角関係を描く……と思いきや、和也の死という衝撃の展開が待ち構えており、お茶の間に大きな衝撃を与えました。

日曜の夜7時は『タッチ』の時間

TVアニメ『タッチ』DVD COLLECTION 1(東宝)
TVアニメ『タッチ』DVD COLLECTION 1(東宝)

 かつて、「野球中継」と「チャンネル権」は、家でTVアニメを見たい子供たちにとって絶望的な壁でした。現代では、プロ野球の地上波放送はほぼ無くなりましたが、1970年代から80年代にかけて、関東地方では夜の19時から巨人戦が放送されることが多く、楽しみにしていたアニメの放送が中止になるのは珍しくなかったのです。

 録画用のビデオデッキが一般家庭に普及したのは1980年代後半に入ってからなので、80年代半ばまでの時期にアニメを見るには、基本的にはTV放送を直接観るしかありませんでした。インターネットの普及と配信によって視聴の自由度が飛躍的に向上している現代とは、まったく別の世界だったのです。

 また、家にTVが1台しかないのも当たり前で、どの番組を見るのかは家庭内の力関係で決まっていました。特に日曜日は父親がチャンネル権を握ることが多く、アニメを見るのは難しい家庭も多かったようです。

 少なくとも筆者の家では絶望的で、『キン肉マン』を見るために友だちの家に遊びに行くのが日常茶飯事だったことを思い出します。特に、夜に観るTV番組は野球中継か「アップダウンクイズ」と決まっており、36年前の3月24日に『タッチ』が放送開始した時も、アニメの存在は知っていても、しばらくは見ることはできませんでした。

 しかしある日、なぜか父親が「『タッチ』を見よう」と言い出したのです。それはまさに青天の霹靂でした。

 理由を聞いてみたところ、当時、父親の職場でしばしば『タッチ』が話題になっており、若い女性社員との共通の話題として観ることにしたと教えてくれました。当時はアニメが子供のものという風潮が強かったため、筆者は「大人もアニメを見るんだ」と疑問に思っていましたが、実際に目にした『タッチ』は、世代や性別を超えた魅力を持つ作品だったのです。

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