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映画『ライアー×ライアー』に原作ファンも納得? 「ありえない」設定を見事に再現

2021年2月から上映されている映画『ライアー×ライアー』は、金田一蓮十郎先生によるマンガが原作。金田一先生の作品は、複雑な背景をもつ人物の巧みな描写が特徴。少女マンガに詳しいタレントの別冊なかむらりょうこさは、実写映画は原作の見どころを見事に再現していると語ります。

嘘に嘘を重ねていく二重恋愛

映画『ライアー×ライアー』ポスタービジュアル (C)2021『ライアー×ライアー』製作委員会 (C)金田一蓮十郎/講談社
映画『ライアー×ライアー』ポスタービジュアル (C)2021『ライアー×ライアー』製作委員会 (C)金田一蓮十郎/講談社

「私×義弟×女子高生姿の私=2人なのに三角関係……?」という、トンデモな設定が目に飛び込んでくる映画『ライアー×ライアー』が2021年2月から公開され、全国映画動員ランキングで2位の好スタートを切り、3月3週目に入っても10位以内をキープしています。

『ライアー×ライアー』は、金田一蓮十郎先生の作品で、講談社「デザート」で2010年から2017年まで連載されていました。単行本は全10巻で累計発行部数は190万部を突破しています。

 金田一蓮十郎先生は、1996年『ジャングルはいつもハレのちグゥ』でデビュー後、少年誌、青年誌、女性誌と幅広く活躍され、扱う題材も多岐にわたっています。なかでも、青年誌や女性誌に登場するのは、なかなかの複雑な事情を持った人物たちです。

 あるときは、大学時代に事故死した恋人の子供を引き取り、会社では男装、家庭では女装という、二重生活のなかで子育てに取り組む主人公の話。またあるときは、会社をリストラされ、バーでヤケ酒をしていると、謎の美女に「うちで働かないか」と言われ、サインするといつの間にかその美女と入籍していたことを知らされる主人公の話。

 金田一先生の作品では、そこに巻き起こる家族や人生の問題を、細かな心理描写で解いていく様子が丁寧に描かれています。そして今回の『ライアー×ライアー』も、ひと筋縄ではいかない恋愛模様が描かれているのです。

 女子大生の湊(みなと)は、両親の再婚で義理の弟になった同い年の透(とおる)と同居中。同じ大学に通うも、透の中学時代からの女癖の悪さが原因で、ふたりの仲は冷戦状態です。

 ある日、友達の頼みで高校時代の制服を着てギャルメイクで渋谷の街に出た湊は、偶然にも透に遭遇! 別人だと言い張る湊を信じた透だが、透はその「女子高生姿」の湊=「みな」に惚れてしまう……その透の一途さに押され、一度付き合うことになってしまったふたりの、二重恋愛コメディ!

 透の、恋人である「みな」を前にした時の一途さと、家に帰ってきたときの姉・湊に対する冷たさのギャップに、読む側は湊と一緒に深みにハマっていってしまいます。最初についた「嘘」を隠すためにどんどん増えていく「嘘」たちは、本人たちの真剣さとは裏腹に、笑えるコメディシーンともなっています。

 そして物語が進むにつれてわかってくる、もうひとつの「嘘」。映画でも、この物語の軸と、すれ違いから生まれるコメディが見事に再現されています。

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