【シャーマンキング30周年への情熱(29)】放送開始したアニメの全話数と「アレンジ」の関係
2021年4月1日より、テレビ東京系列で放送開始したTVアニメ『シャーマンキング』第1話の内容から、原作と新作アニメの違いについて掘り下げていきます。「原作を最後まで描き切る」と公言して始まった本作ですが、施されたアレンジの理由とその後の展開、そして気になるアニメの全体話数は…?
第1話に施されたアレンジは現代の生活と関係が…?

2021年4月1日、ついに『シャーマンキング』完全新作TVアニメの放送が始まりました! 発表から約10か月、待ち望んでいたその時がやってきたのです! 今回は放送開始を記念し、その内容と今後の展開についてひも解きたいと思います。また今回、ファンにとっては特に気になる「アニメは全何話になるのか」についても明らかになりました。
※放送をご覧になっていない方にはネタバレになるため、どうかご注意ください(その後の展開についても多少のネタバレが含まれています)。
本作の特徴は、当初から言われている通り、「原作を最後まで描き切る」という点です。その長い道のりの入口である第1話は、原作に多少のアレンジが加わっていました。
まず、原作の2話分がひとつになっていましたね。それによって若干進行が変わっています。原作では、まん太の敵討ちのため、そして墓を粗末に扱われた阿弥陀丸の怒りを晴らすために葉が憑依合体して木刀の竜と戦い、その後、阿弥陀丸を持霊にするため彼の秘密を探る……という流れになっていましたが、アニメ版では戦いの前に秘密は明らかになっていて、葉は阿弥陀丸の愛刀・春雨を手に入れています。木刀の竜との戦いで刀ではなく卒塔婆を武器に使うのは、彼ごときに刀を使うまでもない(手加減してやる・刀がもったいない)という解釈になっていました。
葉が原作よりも行動的になっていて(笑)、筆者はかなりテンポ良くまとめられていたと感じました。前回のアニメ版は、アニメの1話が原作第1廻、2話が第2廻……という丁寧な描き方をしていたのですが、あれから約20年……私達の生活テンポがどんどん上がっていったためか、改めて観直してみると展開が遅いような気がしてしまっていたからです。
現代の生活が昔よりかなりスピードアップしているというのは、よく言われることです。2000年代前後、ポケベルや携帯電話、インターネット、電子メールが登場したことで調べ物や連絡が簡単になり、一気に加速したのですが、今ではさらにポケットに入るパソコン(スマホ)を使い、SNSは秒で対応するのが当然になって……もう何倍速になったのでしょう? そうした時代に求められるのは、今作のようなテンポ感なのかもしれません。