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『暗殺教室』松井優征さんのマンガ講義録がすごい! 面白さは「公式」で説明できる…?

「週刊少年ジャンプ」編集部が主催する創作講座「ジャンプの漫画学校」の公式サイトには、今まで実施してきた講義の内容が随時アップされています。2021年3月10日には『暗殺教室』や『魔人探偵脳噛ネウロ』などで知られる人気漫画家・松井優征さんの講義録が公開されて大きな話題になりました。

松井優征さんが掲げる“面白さ”の数式とは?

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 2021年3月10日に「ジャンプの漫画学校」公式サイトで、『暗殺教室』や『魔人探偵脳噛ネウロ』などで知られる漫画家・松井優征さんの講義録が公開されました。松井さんから語られたマンガのノウハウに対し、ネット上では「内容はもちろん、資料も含めてプレゼンが上手すぎる」「参考になるうえ途中で笑いも入れてくるとは」など、さまざまな声があがっています。

「ジャンプの漫画学校」とは、2020年度より「週刊少年ジャンプ」編集部が主催する創作講座のことです。マンガのキャラクターや企画、連載の進め方などのノウハウを学び、時にプロの作家を招いて講義を実施しています。過去には『こちら葛飾区亀有公園前派出所』の秋本治さんや『Dr.STONE』の原作者・稲垣理一郎さんなどが講義を行ったことも。

 話は戻りますが、今回公開された松井さんの講義録は「防御力」について。まず松井さんは「面白さ=読者の脳が得るメリット-読者が支払うコスト」と定義づけています。読者が支払うコストとは「お金」「時間」「労力」の3つであり、メリットとは「面白いストーリー」「皆を引き込む世界観や設定」「目を引きつける上手な絵」など。そして防御力は読者コストを抑えることとイコールで結ばれており、コストとメリットの差が大きければ大きいほど“お金を払ってでも読みたい面白いマンガ”になる、というのです。

 さらに松井さんは内容の濃いマンガを描くにあたり、「兼ねる」ことが大事だとも明かしています。「兼ねる」とは、内容を減らさず、かつ情報が過密にならないよう複数の要素を兼ねることで、上手に兼ねられた作品は消費時間に対して驚くほど内容が濃くなるといいます。

 松井さんはマンガを使って「兼ねる」を実践し、「振り向くと」「遠くのビルが燃えている」「知人が忘れ物を取りにビルに帰ったことを思い出す」の3つの情報を1ページに集約して見せました。しかも最後にはしっかりとオチまでつけて……漫画家志望の人のみならず、マンガを読むのが好きな人も、面白いマンガを生み出すノウハウに感心させられることでしょう。

(マグミクス編集部)