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『ガンダムW』は女性に”キャラが“人気だったという誤解 男性も魅了した要素とは

5人のメインキャラクターを中心として、女性人気ばかり評判になる『新機動戦記ガンダムW』ですが、評価できるのはキャラだけでなく、メカやドラマ、楽曲までさまざまあります。その魅力を振り返ってみましょう。

印象的な名セリフと独特の演出が魅力的だった『ガンダムW』

OVA『新機動戦記ガンダムW Endless Waltz』DVD(バンダイビジュアル)
OVA『新機動戦記ガンダムW Endless Waltz』DVD(バンダイビジュアル)

 4月7日は1995年に『新機動戦記ガンダムW』(以下、W)が放送開始された日です。本作は女性人気が多いことでよく知られていますが、男性ファンがいないわけではありません。そこを誤解されている方も少なくないようで、本作を「女性向けガンダム」という認識で語られる人がいます。そこで、男性から見た『W』の魅力を紐解いてみましょう。

 前作『機動武闘伝Gガンダム』は、それまでの宇宙世紀と違う世界観、戦争ではない戦いを描くことで新たなファン層、特に小学生を中心にした男の子たちに人気を得ます。しかし、逆にそれまでの「ガンダム」ファンの一部が離れていったという危機感をスタッフに与えました。

 そこで次回作『W』では、再び宇宙戦争を舞台にするべく「A.C.(アフターコロニー)」という架空の時代を設定し、内容を宇宙世紀の歴史をなぞるという方向に定めます。

 ただし、まったく同じようになぞるのではなく、新しいエッセンスも加えました。それが前作から引き継いだ5機のガンダムを操縦する5人のメインキャラという部分です。この5人に関して、デザインや設定を製作側も相当意識していたと思われる点が、放送前に発表されたアニメ雑誌などの記事にも表れていました。各メインキャラに代表的なセリフがあったことです。

 そう、このセリフという部分が、『W』の魅力のひとつでした。

 例えば主人公ヒイロ・ユイと言えば、「お前を殺す」「任務了解」など、すぐに場面と共に名セリフが思い浮かびます。本編を見た方なら分かると思いますが、『W』は舞台劇を思わせる独特な作風が魅力のひとつでした。この舞台劇のような部分はセリフだけでなく、過剰とも思える演出の数々にも及んでいます。その結果、記憶に残るような魅力的なシーンをいくつも作り上げました。

 名セリフがいくつもあるというのは何も『W』だけでなく、他の「ガンダム」シリーズでもよくあります。思えば最初にヒットした『機動戦士ガンダム』も名セリフが散りばめられていました。そして、『機動戦士ガンダム』も女性ファンが多くいました。

「ガンプラ」という一大ヒット商品が男性向けという固定概念があるせいで気付きづらいですが、人気のあるガンダム作品というものは、女性ファンも同数くらい存在するからこそ成り立つもの。単純にファンが倍はいる計算になるわけです。

【画像】女性も興味を持った『ガンダムW』のガンプラ

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