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4月7日は鉄腕アトムの誕生日。今こそ「アトムが必要な時代」である理由

2003年4月7日は鉄腕アトムの誕生日です。1952年に雑誌「少年」で連載が開始された『鉄腕アトム』は、1959年の実写ドラマを皮切りに、1963年には日本初の毎週30分のアニメとして放送され大人気となり、国民的なキャラクターとして高い認知度を得ました。令和の時代になってもなお、アトムの存在感は確固たるものがあります。

時代とともに更新された、アトムの「能力」

手塚治虫文庫全集『鉄腕アトム』第1巻(講談社)
手塚治虫文庫全集『鉄腕アトム』第1巻(講談社)

『鉄腕アトム』ほど、世代を超えて親しまれているロボットは、おそらく存在しないでしょう。1952年に雑誌「少年」で故・手塚治虫氏が連載開始した『鉄腕アトム』は、その後1968年まで続くロングラン作品となり、多くの少年少女を虜(とりこ)にしました。手塚氏が描いたアトムはこれだけではなく、さまざまな媒体で多くの短編が発表されています。最後の連載は1980年から1981年にかけてとなっており、30年近くアトムを描き続けた手塚氏の熱意には敬服するほかありません。

 アトムが初めて登場した作品は、やはり手塚治虫氏が「少年」に1951年から連載していた『アトム大使』です。このときのアトムは脇役でしたが、デザインや設定を変更し、主人公へと抜擢されました。

 1959年には実写化、1963年には日本初のロボットアニメ作品としてTV放送され、お茶の間の人気者となったアトムは、その後も1980年に再アニメ化、2003年には『ASTRO BOY 鉄腕アトム』として3度目のアニメ化を果たしています。近年では2019年に未就学児を対象とした『GO!GO!アトム』も放送されており、70代以上の方から小さなお子様まで、「それぞれの世代のアトム」が存在するという偉業を成し遂げているのです。

 特にアトムといえば、オープニングテーマの歌詞にも「7つの威力さ」と書かれている、7つの力を思い出す方も多いと思いますが、実は時代とともに内容に少しずつ修正が加えられています。

 1963年版のアニメでは「どんな計算も1秒でできる電子頭脳」「60か国語を話せる人工声帯」「普通の1000倍も聞こえる聴力」「サーチライトの目」「10万馬力の原子力モーター」「足のジェットエンジン」「お尻からマシンガン。1秒間に500発撃てる」となっていますが、2003年「ASTROBOY」版では、原子力モーターとマシンガンは削除され、代わりにレーザーブラストとアームキャノン砲が加えられています。その他の能力も軒並みグレードアップされており、より近代的なロボットとしてのアトムの姿を見ることができるようになっているのです。

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