引きこもりの息子に、亡き愛犬を会わせたい…!3分だけの”蘇り“『インスタントライフ』
もし、死者を3分間だけ生き返らせることができたら、あなたはどうしますか? そんな「もし」を形にしたマンガ『インスタントライフ』待望の単行本1巻が発売されました。不思議な“よみがえり”を通して描かれる人間ドラマ。作者・江戸川治さんにお話を聞きました。
“よみがえり”を通して描かれる、人間の奥底にある思い

今は亡きあの人やペットにもう一度会いたい……そう思う人は少なくないでしょう。そこにはそれぞれの人生や思いがあります。もし、3分間だけ命が復活するとしたら、あなたはどうしますか?
そんな「もし」を形にしたマンガ『インスタントライフ』待望の単行本1巻が2021年4月9日に発売されました。「くらげバンチ」で連載中の本作は、第1話公開から最新の第8話まで高いアクセス数を維持するなど、注目を集めています。作者はTwitterで短編マンガを多数発表している、フォロワー18万人の漫画家・江戸川治さん(@edoosam)です。
『インスタントライフ』は、不思議な力を持つ男性と助手の女子高生が依頼を受け、死体にお湯をかけることで3分間だけ命をよみがえらせるという1話完結の物語。第1話『ペットの気持ち』は、大好きだったペットの犬・クッキーの突然の死から立ち直れない引きこもりの息子・たかしを心配した母親が、クッキーを生き返らせるため「インスタントライフ」を訪れるというストーリー。息子とペットの犬が心を通わせる展開が涙を誘い、大きな反響がありました。
各話、“命のよみがえり”を求める人々のさまざまな背景や思いが丁寧に描かれており、人間ドラマを描いたマンガを多く発表している江戸川治先生の真骨頂とも言える作品です。作者の江戸川治先生に、『インスタントライフ』についてお話を聞きました。
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ーー『インスタントライフ』は、カップラーメンのようにお湯をかけることで命をよみがえらせるという意表をつく設定ですが、発案のきっかけを教えて下さい。
江戸川治先生(以下、敬称略) この話の元になる『ツカノマリバース』という、過去に「ジャンプ改」に掲載された読み切りがあるんですが、それを描いたのがけっこう昔で、どうやって話を思いついたかあやふやなんですが、カップラーメンを見て思いついたとかそんな感じかなと思います。
ーー第1話『ペットの気持ち』は、初回ということで特に力を入れられたのではないかと思いますが、どのようにお話を作っていかれたのでしょうか?
江戸川治 1話目はあんまり尖ってない、当たり障りのない話の方がいいのかなと思って、『ペットの気持ち』の話を1話目にしました。
ーー人間の奥深い部分を表現していて心を動かされます。マンガを描くにあたって心がけていることはありますか?
江戸川治 「自分が他人目線で見て、面白いと思うかどうか」にすごくこだわってます。自分を飽きさせないで、ストーリーが面白いものになるよう気を付けてます。

ーー単行本1巻の見どころを教えて下さい。
江戸川治 1巻の見どころはオマケマンガ4ページです。単行本の特典なので、読んでもらえたらうれしいです。
ーー最後に、『インスタントライフ』をこれから読む方に向けて、ひと言メッセージをお願いします。
江戸川治 難しいことは考えずに、頭からっぽにして楽しんでもらえたらうれしいです。
(マグミクス編集部)