【シャーマンキング30周年への情熱(30)】木刀の竜が語る「ベストプレイス」とは何か?
2021年4月から放送中のTVアニメ『シャーマンキング』第4話では、「ベストプレイス」を探し求める木刀の竜とその仲間たちが取り上げられました。彼らにとっての「ベストプレイス」とは何なのか? そこには私たちの生活にも通じるものがありました。
竜自身が求める「ベストプレイス」の意味合いは?

TVアニメ『シャーマンキング』も、早いもので4話が放映されました。テンポ良く進む上、毎週大きな見せ場がある構成は、ファンのみならず多くの方に楽しんでいただけているのではないでしょうか!
さて、今回は蜥蜴郎(とかげろう)編……とも言うべき回でしたが、木刀の竜が廃墟となったボウリング場を見ながら「ベストプレイス」について語るシーンからスタートしましたね。
彼らは1話の初登場時から「ベストプレイス」を求めていましたが、それがどういうものなのか、今回少し解ったように思います。社会……学校、職場などに馴染めない竜たちは、自分たちが”心から安らげる居場所”を求めてさまよっています。それこそが「ベストプレイス」であり、彼らにとっての理想郷というわけです。
しかし、竜と仲間たちの間には、少し考え方に違いがあるようです。どうやら仲間たちは「ベストプレイス」を、みんなで騒げる溜まり場のことだと考えているようですが、竜はもっと曖昧な、「しっくり来る場所」「居たくなる場所」という精神的なものを重視しているようです。そのため、彼の「ベストプレイス」は、地図に載っている場所とは限りません。これがアンナに一目惚れした時、彼女のこと(彼女の傍、彼女の居る場所)を「ベストプレイス」だと口にする理由ではないかと思います。
竜にとっての「ベストプレイス」について、もう少し掘り下げてみましょう。
筆者は以上のことから、竜が「ベストプレイス」に求める場所には”やり甲斐”が含まれているのではないかと考えました。言葉では「安らげる場所」と言っていますが、それはただ何もせずゴロゴロできる場所という意味ではなく、たとえ忙しかったとしても、それでいいと思える場所なら「ベストプレイス」になり得るのではないか……ということです。
精神的に充実・満足していれば、心は十分穏やかになるものです。その観点で言えば、学校や仕事で忙しかった1週間が終わり週末を迎えた時、1日中寝ていることと、やりたかったことをアレもコレもと忙しく楽しむことは、同じだと思うのです。竜が考える安らぎとはそういう意味ではないでしょうか?