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2021春アニメ「架空世界」を描いた新作3選 新しい日々に疲れたら、架空の世界にダイブ!

出会いと別れの多い春。就職や転職、部署異動など、新しい環境に少し疲れている方もいるかもしれません。そんなときは、現実から離れて楽しめる「架空世界のアニメ」がおすすめです。ファンタジーやもうひとつの日本、ゲームのなかの世界など、種類も豊富。この記事では、架空世界を描いた新作春アニメを3作品ご紹介します。

一緒に冒険したくなるかも? 架空世界を覗ける春アニメ

 春からの新生活に疲れを感じたら、より現実から遠いアニメを見たくなる方もいるのではないでしょうか。春アニメの新作には、ファンタジーやもうひとつの日本、ゲームのなかの世界など、まさに架空世界を舞台とした作品がそろっています。この記事では、そんな架空世界を描いた新作春アニメのなかで、実際に見て面白かったものを3作品ご紹介します。SNSでも「ぶっとんでて面白かった」「ifの明治の空気感がいい」と評判です。

●『ドラゴン、家を買う。』(2021年4月4日~放送)

『ドラゴン、家を買う。』 (C) 多貫カヲ・絢 薔子/マッグガーデン・「ドラゴン、家を買う。」製作委員会
『ドラゴン、家を買う。』 (C) 多貫カヲ・絢 薔子/マッグガーデン・「ドラゴン、家を買う。」製作委員会

『ドラゴン、家を買う。』は同名マンガ(著:多貫カヲ、作画:絢薔子/マッグガーデン)を原作としたアニメです。異世界を舞台としたハイ・ファンタジーで、勘当されてしまった臆病なドラゴンが、安心して住める家を探します。かわいらしい泣き虫ドラゴンと異色の設定が光る、新感覚ファンタジーです。

 世界の生態系の頂点に立つとされている「ドラゴン」。最強にして至高の存在……のはずなのですが、臆病なドラゴンの子・レティ(CV:堀江瞬)はうっかりハンターに卵を奪われ、一族から勘当されてしまいます。ステータスも「ちから 3」「ぼうぎょ 8」と弱々しいレティは、生き抜くために安住の地・マイホームを探すことを決意。しかし、さっそく人間につかまったり、勇者一行と出くわしたりしてしまうレティ。そんなレティのピンチを救ったのは、不動産屋を名乗るエルフのディアリア(CV:石川界人)でした。「僕に家をください!」と頼み込むレティ。ふたりは、レティの「夢のマイホーム」を探す旅に出て――?

「ドラゴンの家探し」という、異色の設定が光る本作。ドラゴンなのに泣き虫だったり空を飛べなかったりと、主人公のレティも一風変わっています。ファンタジーな世界観ならではの物件を見ることができ、目新しさも抜群。「戸建て」と神殿のダンジョンを紹介されたり、「にぎやかな部屋」と幽霊屋敷を紹介されたり……はちゃめちゃな物件紹介に、森本レオさんのナレーションが安心感を添えてくれます。オープニングテーマはオーイシマサヨシさんの「ロールプレイング」。ゲームや映画のパロディも各所に挟み込まれ、楽しく見られる作品です。この作品は、「dアニメストア」「Amazonプライム・ビデオ」「Netflix」などで見ることができます。

●『擾乱(じょうらん)THE PRINCESS OF SNOW AND BLOOD』(2021年4月6日~放送)

『擾乱(じょうらん)THE PRINCESS OF SNOW AND BLOOD』 (C)擾乱製作委員会
『擾乱(じょうらん)THE PRINCESS OF SNOW AND BLOOD』 (C)擾乱製作委員会

『擾乱(じょうらん)THE PRINCESS OF SNOW AND BLOOD』は、日本テレビやブシロード、タツノコプロなどが手がけるオリジナルアニメです。ほかにも舞台化やマンガ化が予定されています。現実とは異なる歴史をたどった日本を舞台に、政府の闇組織と反体制派組織の対立が描かれる作品です。

 時は明治64年。15代将軍・徳川慶喜が政権を維持し続けている、もう一つの日本。国家は特殊な天然資源「龍脈」を独占しており、そのことに不満を持つ人々も存在していました。雪村咲羽(ゆきむら・さわ/CV:三森すずこ)は、幼い娘・中村浅陽(なかむら・あさひ/CV:伊藤彩沙)とふたりでつつましく暮らしていましたが、一方で徳川政府の闇組織「鵺(ぬえ)」の処刑人として暗躍していました。ある日、咲羽は慶喜の暗殺計画を阻止するため、反体制派組織の首領・蛇埜目(じゃのめ)を駆除するよう指示を受けて――?

 明治時代の和洋折衷な文化に、ダークな世界観がよくマッチしている本作。特に冒頭の日本画調の作画は、日本らしい和のかっこよさがよく表れています。咲羽は幼い頃に家族を殺されており、「鵺(ぬえ)」の任務では自分に想いを寄せてくれた男を殺すなど、第1話からかなり重めの展開です。脚本は『ブラッククローバー』の岡田邦彦さん他が手掛けており、毎回気になるシーンで話が終わります。タイトルの「擾乱(じょうらん)」には「入り乱れて騒ぐこと」という意味があり、今後の展開にも注目です。この作品は、「dアニメストア」「Amazonプライム・ビデオ」「U-NEXT」などで見ることができます。

●『究極進化したフルダイブRPGが現実よりもクソゲーだったら』(2021年4月7日~放送)

『究極進化したフルダイブRPGが現実よりもクソゲーだったら』 (C)土日月・株式会社KADOKAWA刊/究極進化した製作委員会
『究極進化したフルダイブRPGが現実よりもクソゲーだったら』 (C)土日月・株式会社KADOKAWA刊/究極進化した製作委員会

『究極進化したフルダイブRPGが現実よりもクソゲーだったら』は同名ライトノベル(著:土日月、作画:よう太/KADOKAWA)を原作としたアニメで、原作はコミカライズもされています。VRMMO(大規模オンラインゲーム)のなかでも超問題作とされたストレスフルなゲームを、高校生の主人公が攻略していく物語です。

 21世紀になり、リアルさを究極まで再現したVRMMOがリリースされ、大きな反響を呼んでいました。しかし、現実さながらの苦悩まで再現してしまい、VRMMOは全盛期の人気を失っていきました。その問題のVRMMOのリリースから10年後、高校2年生の結城宏(ゆうき・ひろし、通称・ヒロ/CV:山下大輝)は新作ゲームを買いそびれて、さびれたゲームショップに入ります。美人の店長・如月玲於奈(きさらぎ・れおな/CV:竹達彩奈)に別の古いゲーム『極(きわめ)・クエスト』を売りつけられたヒロは、しぶしぶ家に帰ってログイン。しかしそのゲームは、五感まで再現されたZZ指定の超問題作で――?

 ただゲームの世界に入るだけではなく、そこで現実さながらの苦労を味わう本作。薬草を使っても傷は2~3日痛み、走った後の疲労もしばらく残るという徹底っぷり。そんなゲーム内で、ヒロは親友・マーチン(CV:石谷春貴)を殺してしまいます。その時居合わせた幼なじみ・アリシア(CV:ファイルーズあい)の反応や、それを知った町の人の反応も現実さながら。本作の原作者は『慎重勇者~この勇者が俺TUEEEくせに慎重すぎる~』の原作も手がけており、現実同様リセットできないこのゲームを、ヒロがどうやって攻略していくのか期待が高まります。かわいらしくも衝撃的なエンディングテーマ「キスイダ!」にも注目です。この作品は、「dアニメストア」「Netflix」「U-NEXT」などで見ることができます。

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 架空の世界を舞台とした作品は、気楽に見られて息抜きにもぴったり。始まったばかりの春アニメなので、今から見てもすぐ最新話に追いつけます。世界観の違う3作品をご紹介したので、気になる作品があった方は、見てみてはいかがでしょうか。

※配信状況は記事掲載時点のものです。

(新美友那)

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