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声優・立木文彦さんが還暦を迎える 碇ゲンドウ、マダオ…声の歴史をたどる

いじめる側からいじられる側まで、テンション高めの演技力の妙

マダオこと長谷川泰三が表紙 著:空知英秋『銀魂』電子版第10巻(集英社)
マダオこと長谷川泰三が表紙 著:空知英秋『銀魂』電子版第10巻(集英社)

 立木さんの代表作はもちろん他にいくつもあります。

 年代順に追うと、まずは『名探偵コナン』(1996年~)のウォッカ。「黒の組織」の一員で作品に深くかかわっていますから最後まで登場しそうな感じですよね。ひょっとしたら立木さんの演じたキャラの最長記録となるかもしれません。

 その最長記録と並ぶキャラが、『クレヨンしんちゃん』(1992年~)の黒磯。作品への登場は1999年からですが、セミレギュラーで出番が意外に多いキャラです。

『ONE PIECE』(2000年~)では初期に出ていた海賊の首領(ドン)・クリークを演じていたほか、作品途中から登場して海軍元帥になったサカズキ(赤犬)を演じていました。作品内での因縁を考えるとサカズキも最後まで登場するでしょうから、立木さんの声で当分活躍が見込めますね。

『BLEACH』(2004~12年)の更木剣八は立木さんらしい骨太で豪快なキャラでした。近々、未アニメ化された部分を映像化するという話も出ているので、新作での活躍も期待できます。

 そして、忘れてはいけない立木さんのイメージキャラともいえるのが、『銀魂』(2006年~)のマダオこと長谷川泰三でしょう。何しろ声だけでなく、実写版の『銀魂』でも役者として演じているなど、間違いなく立木さんの一部、というかシンクロ率400%のレベルです。

 作品は完結したということで演じる機会はないかもしれませんが、『銀魂』のことですからいつ再開してもおかしくないでしょう(笑)。

 振り返ってみると代表的なキャラとはどれも長い付き合いで、いつでも変わらぬ声で演じるということは声優として大変だと思います。しかしそれを演じ続けているのですから、立木さんの声優としての演技力の高さをあらためて感じずにはいられません。

 キャラに命を吹き込む立木さんの演技力も好きですが、個人的にはナレーションも大好きです。『逆境無頼カイジ』(2007、2011年)の高めのテンションで視聴者を煽るような口調が最高でした。格闘技イベント「PRIDE」、「DREAM」でも同様で、立木さん独特のナレーション技術は芸術的だと思います。お寿司屋さんのCMも毎日聞いても飽きないレベル。というか、CMで声を聞くと流しでかけていたテレビを思わず見てしまいます。

 最近ではテレビでの顔出しのお仕事もあるのがうれしい限り。

 あとは『アンジェリーク』つながりで森川智之さんと結成したヴォーカルユニット「2HEARTS」での活躍も期待しています。

(加々美利治)

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