いじめられていた女子、交通事故で“最強”幽霊に! 人間を…『死んでから本気出す』
学校でいじめを受け続け、生きることに嫌気がさしていた女子。「転生したい」と願っていたある日、トラックにはねられ……。「くらげバンチ」で連載中『死んでから本気出す』の単行本1巻が発売。作者・橋本くらら先生にお話を聞きました。
幽霊となり、人間を脅かし続けて転生を目指す!

学校でお弁当を食べている間、たくさんのクラスメイトに取り囲まれ、スマホで動画を撮影される……そんな陰湿ないじめを毎日受けていた瀬奈。生きることに嫌気がさし、「転生したい」と願っていたある日、瀬奈は猫を助けてトラックにはねられました。その後目覚めると、目の前には「霊界の案内人」を名乗る女の子が。「あなたは幽霊になったんです」「転生に興味ありますか?」と言われ……。
そんな衝撃的な展開で始まるのは、漫画家・橋本くらら先生(@hashimotokurara)が「くらげバンチ」で連載中の『死んでから本気出す』。単行本1巻が2021年5月8日(土)に発売されます。橋本くらら先生は「週刊少年チャンピオン」で『ギャルの背後に霊がいる』も連載中。いずれも人間と幽霊の関わりが描かれています。
『死んでから本気出す』は、いじめられていた女の子が死後の世界で活躍する物語。通常の幽霊とは異なり、自在に人間の前に姿を現して脅かすことができる「特別な幽霊」となった瀬奈が、異世界に転生するために「人間を脅かして“恐怖のカタマリ”を100個集める」というミッションをクリアすべく、さまざまな人間を脅かしていきながら“最強”の幽霊になっていきます。
作者の橋本くらら先生に、『死んでから本気出す』の制作の裏側や、単行本1巻についてお話を聞きました。
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ーー『死んでから本気出す』のお話はどのようにして生まれましたか?
橋本くらら先生(以下、敬称略) 「いじめられっ子が死後の世界で幽霊の才能を開花させ、人間を脅かしまくるマンガ」というアイデアが浮かび、編集さんにお伝えし企画を練っていくことになったのは良かったのですが、そこから作品として形にするまで非常に苦戦しました。読者さんに設定を理解してもらうための工夫はもちろんですが、何より「いじめ」や「私刑」といった露悪的なものを描くことが初めての経験だったので、1話のお話作りは非常に難航したことを覚えています。
ーーいじめを受けていた瀬奈が事故死して幽霊となる……というシリアスな内容ですが、死後の世界では、案内人のファミリアの明るさもあり、コミカルな印象も受けます。瀬奈やファミリアのキャラクターを描く上で工夫なさっている点、心がけている点などを教えて下さい。
橋本くらら 瀬奈は露悪的な言動をする反面、根っこにある優しさや不器用さ、愛らしさを感じられるように描写に気を遣っています。また、瀬奈がモラルに反するようなセリフを言った際、ファミリアにツッコミや皮肉を言わせることでバランスを取っています。ファミリアは常にニコニコ笑っていますが、何を考えているかわからない無機質な印象を持ってもらえるように意識して描いています。
ーー「くらげバンチ」やTwitterでは読者からたくさんの感想が寄せられています。特に印象に残っている読者の声について、教えて下さい。
橋本くらら 1話公開時は賛否両論になるだろうと思っていたのですが、予想以上に応援の声をいただき大変感激しました。今後の展開や最終的なオチを予想する感想をいただいた時は、ニヤニヤしながら眺めています(笑)。

ーー単行本1巻の見どころや、ご自身が特に気に入っている回を教えて下さい。
橋本くらら 1巻の描き下ろしマンガは謎に包まれていたファミリアの内面が分かるエピソードなので、ぜひ読んでもらいたいです。お気に入りの回は第2話ですね。瀬奈の魅力が詰まった回だと思います。
ーー最後に、『死んでから本気出す』をこれから読む方に向けて、ひと言メッセージをお願いします。
橋本くらら 手軽に癒やしが得られるマンガではないですが、今、鬱屈した思いを抱えている方にこそ読んでいただきたいです。よりたくさんの方に刺さる作品になるよう今後も頑張ります!
(マグミクス編集部)