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【シャーマンキング30周年への情熱(31)】今後のバトルで重要な「オーバーソウル」とは何か

2021年4月から放送中のTVアニメ『シャーマンキング』第5話では、シャーマンファイト参加資格のテストが行われました。そこで求められた「オーバーソウル」とは、同作の物語全体を通して、バトルの基本となる能力です。

今後の重要な情報を提示した、TVアニメ第5話

主人公・葉の持霊である阿弥陀丸は、愛刀の春雨と憑依合体して「オーバーソウル」状態になった。TVアニメ『シャーマンキング』第5話より
主人公・葉の持霊である阿弥陀丸は、愛刀の春雨と憑依合体して「オーバーソウル」状態になった。TVアニメ『シャーマンキング』第5話より

 放送中のTVアニメ『シャーマンキング』で、2021年4月最後の放送となる第5話は、はとても重要なことについて触れていた内容でした。まず、前回の記事で取り上げた木刀の竜についてです。記事は「ベストプレイス」を求めながらも未熟な彼が、蜥蜴郎の憑依を通じて成長することを期待して終えましたが、その答えが意外な形で示されています!

 そして、シャーマンファイトの開幕を告げる星・羅ゴウ星(ゴウは目へんに候)の登場、それからタイトルにもなった「オーバーソウル」についての説明がありました。

 羅ゴウ星は500年に一度、計都星(ケイトせい)とともに地球に近づき大災害をもたらすものの、そのたびに「大いなる破壊」を「大いなる再生」に変える救世主、つまりシャーマンキングが現れる……とされています。そのため、星が接近する500年周期でシャーマンファイトが行われているということが示されました。

 この羅ゴウ星とは、実際にある古代インドの天文学や占星術の考え方に登場するもので、「九曜(くよう)」という9個の天体のひとつです(計都星もそうです)。これらの星には対応する神がいて、羅ゴウ星には「ラーフ」神です。ラーフは日食や月食を引き起こす存在とされていて、現代の日本ではスサノオと同じものと見なしています。

 スサノオと言えば、日本神話に登場する太陽神・アマテラスの弟です。彼が多くの悪さをしたことでアマテラスが岩戸に隠れ、国が闇に包まれたというのが古事記・日本書紀にある物語ですが、これを日食のことだとする説が古くからあり、それを引き起こしたスサノオとラーフが同一視されたわけですね。また一方で羅ゴウ星は、密教とも強い関わりを持つ存在でもあります。

 このあたりの詳しいことは、語り始めると1回でも終わるかどうかわからない規模になってしまうので、今回はこのくらいにしておいて、機会があればきちんとご説明したいと思います。というわけで、今回は「オーバーソウル」について掘り下げていきます!

「オーバーソウル」は、これから同作で展開していくバトルにおいて基本となる能力ですから、詳しく理解しておくことが重要です。

 結論から言うと「オーバーソウル」とは、霊を物質のなかに閉じ込めるという、本来は不可能なことを無理にやった際に、物質から霊の一部があふれてしまう”現象”のことです。 そして、そのオーバーソウルを「何かの形」にまとめ上げて具現化するのが、シャーマンの持つ巫力(ふりょく)という能力です。

【画像】葉は新たな力を見つけ、戦いの舞台へ…! アニメ『シャーマンキング』第5話(6枚)

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タシロハヤト

美少女ゲームブランド「âge(アージュ)」の創立メンバーで、長らくシナリオ、演出、監督等を務める。代表作は「君が望む永遠」シリーズ、「マブラヴ」シリーズ。現在はフリーで活動中。『シャーマンキング』の作者、武井宏之氏と旧知の関係である縁から、同作の20周年企画に参加している。
https://twitter.com/tamwoo_k