能力を「奪って、与える」バトル漫画のラスボス3選。チート級の強さに読者も絶望?
人気のバトルマンガ作品に登場する数々の敵キャラのなかには、自由に「能力を奪う」「奪った能力を与える」という、チート級のボスキャラも描かれてきました。作中の主人公たちを苦しめるだけでなく、読者に絶望感を与えるほどの強さを見せつけたラスボスを紹介します。
そもそも基本的な戦闘力が「最強」レベルだが…
人気のバトルマンガ作品では強力な敵キャラたちも魅力を放っていますが、なかには自由に他者の能力を奪ったり、奪った能力を与えたりできるという、規格外の力をふるうボスキャラも描かれています。能力を与えるついでに、「死」などの呪いを与え恐怖で縛るものや、恩を売って手駒にするものも……。
今回は、主人公や読者を絶望の淵に追い込むレベルの、「奪って、与える」ラスボスを3人紹介します。
●鬼の「生殺与奪」は思いのまま…! 鬼舞辻無惨
『鬼滅の刃』のラスボス・鬼舞辻無惨は、自らの血を人間に与えることで、鬼の能力を付与したり、すでに鬼になった者に新たな力を与えたりできる一方、鬼の細胞を壊し、殺すことも自由自在。鬼の「生殺与奪」を一手に握る存在です。さらに、鬼たちは無惨に関することを他言すれば死んでしまうという呪いもかけられています。
無惨はファンの間で「パワハラ上司」と呼ばれるだけあって、血を与えられて配下になっても大事にされるという保証はありません。少し機嫌を損ねる発言をしただけで殺され、戦いのなかで無用と判断されても即座に殺される……無惨は主人公たちが所属する鬼殺隊にとって最大の敵ですが、鬼たちにとっても最悪な存在といえるかも知れません。
●発動するたびに戦局が変わる「聖別」…ユーハバッハ
大人気バトルマンガ『BLEACH』の最終章で、アニメ化も予定されている「千年血戦篇」では、滅却師(クインシー)で構成された「見えざる帝国」(ヴァンデンライヒ)が尸魂界を襲撃し、激しい戦いが繰り広げられます。
「見えざる帝国」を率いるユーハバッハは、すべての滅却師の祖といわれています。彼の技「聖別」(アウスヴェーレン)は、「見えざる帝国」の精鋭たちから強制的に能力を奪い、他の者に与え直すことでができますが、能力を奪われた者は死亡してしまいます。作中ではたびたびこの「聖別」が発動され、主人公・黒崎一護たちの戦いの局面が大きく変化しています。
また、ユーハバッハは「全知全能」(ジ・オールマイティ)という能力も持っていて、未来に起こる全てを見通すことができ、ユーハバッハが知っている能力ではダメージを与えられなくなります。さらなるパワーアップを果たした一護をも圧倒する絶望的な強さを見せつけたユーハバッハをどうやって倒すのか、アニメでの描かれ方に期待が高まります。
●勢力拡大に巧みに利用… オール・フォー・ワン
『僕のヒーローアカデミア』の敵(ヴィラン)のなかでも、他者の「個性」を強奪したり、他者に「個性」を与えたりできる力を持つのがオール・フォー・ワンです。彼は奪った「個性」を自分自身で使うこともできます。前述のラスボス2人に比べると、能力を奪われても死なないという点で、極悪度はいくらかマシといえるでしょう。
オール・フォー・ワンはまた人心掌握にも長けていて、「個性を捨てたい人」から個性を取り、「個性を欲しい人」に与え、恩を売ることにより信者や仲間を増やし、組織を強化しています。
主人公・緑谷出久の師匠でもあるオールマイトとの戦いで一度は敗北しており、マスクを外した時の顔がほとんどないのはそのためです。それ以来、オールマイトへの復讐(ふくしゅう)を狙っています。
オール・フォー・ワンの能力は、宿敵となるオールマイトの持つワン・フォー・オールという能力と対になった形で描かれています。ワン・フォー・オールは力を培い、継承する能力となっており、その力は主人公の出久に継承されていますが、作中ではオール・フォー・ワンの力も継承されており、継承者同士の戦いにも注目が集まります。
「奪って与える」能力を持つラスボスは、その能力がなかったとしても、圧倒的な戦闘力を備えています。そこからさらに、自在に能力を奪ったり与えたりする力を振るうことで、時には主人公たちも「打つ手なし」の状況に追い込んでいきます。
ともすれば作中の勢力バランスを崩しかねない設定だけに、ラスボスとして出番を控える……というケースが多いものと考えられます。
(マグミクス編集部)