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作曲家・菊池俊輔さんが残した名曲たち。著名歌手が熱唱した「仮面ライダー」主題歌も

先日、2021年4月24日にお亡くなりになった作曲家の菊池俊輔さんは、『仮面ライダー』『暴れん坊将軍』『スクール☆ウォーズ』など、数多くの映像作品の世界観を作り上げてきました。今までに生み出した数々の名曲を思い出し、ご冥福をお祈りしたいと思います。

歌が入っていなくても心に残る、名曲の数々

菊池俊輔さんは、特撮では「仮面ライダー」シリーズの作曲を手掛けたことで知られる。画像は『仮面ライダー』DVD VOL.1(東映)
菊池俊輔さんは、特撮では「仮面ライダー」シリーズの作曲を手掛けたことで知られる。画像は『仮面ライダー』DVD VOL.1(東映)

 数多くのアニメ・特撮作品の音楽を手掛けてきた作曲家の菊池俊輔さんが2021年4月24日にお亡くなりになりました。菊池俊輔さんの生み出した数多くの名曲のなかから、いくつかを振り返りたいと思います(膨大な量を全てご紹介できませんので、あくまでも筆者の目から見た形で失礼いたします)。

 筆者が菊池さんの曲を最初に聞いたのは、おそらく『タイガーマスク』(1969~71年)だったと思います。勇ましくて心躍るようなオープニング曲と、その逆にもの悲しく心にしみいるようなエンディング曲。その両方が、菊池さんの代表的な手法だったと思います。

 もちろん、劇中のBGMとして使用される楽曲も魅力的なものが多く、不安をかき立てる曲、戦いを盛り立てる激しい曲、そして勝利を確信させる高揚感のある曲など、作品の絵を見ると自動的に脳内再生されるほど強い影響力がありました。ファンのなかには「菊池サウンド」、「菊池節」と呼ぶ人もいます。

 菊池さんのスゴいと思うところはまさにここです。曲というものは詩がついて歌となると記憶に残りやすいのですが、菊池さんの作ったBGMの数々は、曲だけでも心に残る名曲ばかりでした。

 後の影響を考えると、『仮面ライダー』(1971~73年)から『10号誕生!仮面ライダー全員集合!!』(1984年)までのライダーシリーズで作り出した楽曲は、菊池さんの代表作がつまっていたと思います。菊池サウンドがあったからライダーシリーズが大ヒットしたと言っても過言ではないでしょう。

 作品内で流れるBGMもそうですが、挿入歌も頻繁に使われるようになってドラマを盛り上げる重要な役目を存分に果たしていたと思います。作品を見たことのある人なら、今でも主題歌を歌えるという人も多いのではないでしょうか? そういう記憶に残る名曲が多いですよね。

 筆者のなかでは、ドラマのオープニングに使われている楽曲も記憶に強く残っています。『キイハンター』(1968~73年)から始まった土曜夜のアクション系ドラマの数々、『アイフル大作戦』(1973年)、『バーディ大作戦』(1974年)、そして『Gメン’75』(1975~82年)は、みなさんもオープニングナレーション込みで脳内再生されませんか?

『暴れん坊将軍』(1978~2002年)などもそうですが、とにかく耳に残るBGMが多いと思います。バラエティ番組などで使用されると、「あの曲だ」と思うものばかり。

 大映ドラマでも、印象深いものが多くあります。『赤い疑惑』(1975年)などの「赤いシリーズ」、『スチュワーデス物語』(1983年)、『不良少女とよばれて』(1984年)、『スクール☆ウォーズ』(1984年)など、青春を描いたドラマでも菊池サウンドは定番でした。

 特に、主題歌をアレンジした楽曲が秀逸で、時には原曲よりも勇壮で、時には悲しみを一層引き立てるアレンジが絶品だったと思います。

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