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作曲家・菊池俊輔さんが残した名曲たち。著名歌手が熱唱した「仮面ライダー」主題歌も

アニソン歌手によって歌われた名曲の数々

菊池俊輔さんは『Dr.スランプ アラレちゃん』OP「ワイワイワールド」のような楽しい雰囲気の曲も手掛けている。画像は放送35周年記念の「Dr.スランプ アラレちゃん んちゃ! BEST」(日本コロムビア)
菊池俊輔さんは『Dr.スランプ アラレちゃん』OP「ワイワイワールド」のような楽しい雰囲気の曲も手掛けている。画像は放送35周年記念の「Dr.スランプ アラレちゃん んちゃ! BEST」(日本コロムビア)

 激しく心を揺さぶるような曲調が菊池サウンドの魅力ではありますが、菊池さんはおだやかで楽しくなる楽曲も当然多く作曲されています。

 その代表的な作品が、『ドラえもん』(1979~2005年)と、『Dr.スランプ アラレちゃん』(1981~86年)でしょう。ほのぼのとした日常を思い出させる曲調は、普段のアクションが多い菊池サウンドとは違った良さがあります。ホッと一息つく日常の雰囲気。そんな安心感があるのではないでしょうか?

 この作品に引き続く形で『忍者ハットリくん』(1981~87年)や『オバケのQ太郎』(1985~87年)。そして、アクションがメインとなった『ドラゴンボール』(1986~89年)などにも楽曲を提供していました。

 菊池さんは月10本くらい仕事をしたいと思っていたと読んだことがあります。しかし、今回調べてみたら、お忙しいときは10本後半、四捨五入したら20本もお仕事をしていたことがわかりました。最盛期は毎日のように菊池サウンドを耳にしていたかも……と思っていましたが、それは本当のことだったみたいですね。

 もちろん、歌手のみなさんに歌ってもらった数々のヒット曲にも思い出があります。

 まず筆者が思い出す名曲は『闘え!ドラゴン』(1974年)の主題歌。子門真人さんが歌っていました。筆者もカラオケに行くと締めに必ず歌っていました。子門さんと菊池サウンドの組み合わせには盛り上がる曲が多く、『電人ザボーガー』(1974年)、『仮面ライダーアマゾン』(1974年)なども、みなさんご存じのことでしょう。

 ささきいさおさんとの組み合わせで印象深いのは『ゲッターロボ』(1974年)の主題歌です。菊池さんが初めて手掛けたロボットアニメだったそうで、挿入歌はイケイケのアニソンから、心に染み入るバラード調の曲までバラエティ豊かでした。続く『大空魔竜ガイキング』(1976年)でも、グッとくる名曲ぞろいだったと思います。

 水木一郎さんはライダーシリーズで菊池さんの曲を多く歌っていますが、あえてひとつ挙げるとすると『仮面ライダーBLACK RX』(1988年)の挿入歌「11ライダー大讃歌」でしょうか。それまで作品ごとにあった仮面ライダー全員を歌う曲の集大成で、聞いているだけで仮面ライダーの歴史が目に浮かぶ名曲でした。

 カラオケに行って菊池さんの追悼で歌いたいという人も多いことと思います。こんなご時世だから自粛しているでしょうが、事態が鎮静化したら筆者も仲間を誘って行きたいですね。しかし、全部歌うにはオールでも時間が足りそうにありません。

 あらためて、菊池俊輔さんの御冥福を心からお祈りいたします。

(加々美利治)

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