『SLAM DUNK』で記憶に残る「名プレー&珍プレー」6選。鳥肌ものの得点シーンも…
作中No.1との呼び声高い名プレーとは…?
●主将“ゴリ”の頭に決めたダンク
続いては、第1巻で桜木がみせた“珍プレー”をご紹介。桜木がバスケ部の練習に参加した際、主将を務める“ゴリ”こと赤木剛憲(あかぎ・たけのり)の頭にダンクをぶちかましてしまうのです。
桜木は抜群の身体能力で赤木より高くジャンプしますが、ボールはリングではなく頭に直撃……。「ワザとじゃないよ」と弁明しますが、時すでに遅し。赤木を怒らせてしまうのでした。
しかし、監督を務める安西先生はこのプレーを見て、桜木の将来を期待している表情を見せます。素人感満載だった桜木がここから努力を積み重ね、前述のように強豪・海南戦で見事ダンクシュートを成功させるのでした。
●リバウンドを奪い合う“キングコング兄弟”
そんな赤木と桜木による“キングコング兄弟”が、インターハイ初勝利を飾った豊玉高校との試合で“珍プレー”を披露しました。
「リバウンドを制する者は試合を制す」という名セリフを桜木に放ち、リバウンドの技術を叩き込んだ赤木。そして自称・リバウンド王こと桜木が試合終盤、絶対にボールを死守すると意気込みます。
空中に放られたボールを赤木が「誰にも渡さん!」とキャッチ。一方、桜木も「ふんぬー!」とキャッチ。ふたりでリバウンドを奪いあう形となり、三井らに「味方だー!」と突っ込まれながら、試合は終了。ふたりの空中戦の強さを物語るシーンとなりました。
●試合中に「大根の桂剥き」を披露する魚住純
続いては、試合中にボールとは関係ないところで起きた“珍場面”。それはインターハイ2回戦の山王戦で起きました。
山王のセンターで中心選手のひとり、河田雅史とマッチアップする赤木ですが、さんざん抑え込まれ、その実力差に心が打ち砕かれそうになります。まわりが見えなくなっていく赤木は、無理やりダンクを狙うと転倒。意識がもうろうとする赤木の頭上に“ある物”が落ちてきます。
なんとそれは「大根」。目の前に切磋琢磨してきた陵南高校のライバル・魚住純(うおずみ・じゅん)が、板前の格好をして大根の桂剥きをしていたのです。
「華麗な技を持つ河田は鯛(たい)」
「お前に華麗なんて言葉が似合うと思うか赤木」
「お前は鰈(かれい)だ。泥にまみれろよ」
などといったセリフを去り際に残した魚住。そして大根の桂剥きは、刺身のツマになる。つまり“引き立て役”です。そんな役割も重要であることを魚住は赤木に伝えたかったのではないでしょうか。
●いがみ合っていたふたりの協力プレー
最後は、同じく山王戦から、ファンの間でも作中No.1と呼び声高い“名プレー”をご紹介。桜木がブザービーターを決めた“あのシーン”です。
絶対王者・山王に1点差まで詰め寄る湘北は試合終盤、赤木が相手選手のダンクを懸命に弾き飛ばすなど一進一退の攻防が続きます。相手ゴール下でルーズボールを拾った桜木は、因縁のライバル・流川へパス。お互い今まで滅多にパスなど出したことがない、いがみ合った関係でしたが、チームの勝利のためボールを預けます。これを得点に結びつける流川でしたが、すぐさまカウンターを食らい再び1点を追いかける湘南。
速攻をかける湘南は相手ゴール前で再び流川がボールをキープ。そしてその横には「左手はそえるだけ」と小さくつぶやく桜木の姿が。それを見た流川が取った選択は桜木へのパス。桜木は綺麗なシュートフォームで得点を決めて大逆転勝利。最後は、顔を合わせたふたりの熱いタッチが描かれる、鳥肌ものの名シーンでした。
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以上、6つの“名プレー&珍プレー”をご紹介しましたが、『SLAM DUNK』では他にもたくさんの印象的な試合シーンが描かれています。皆さんの心に残っているプレーは何ですか?
(中島憲太郎)