『閃光のハサウェイ』で活躍する2機、Ξガンダムとペーネロペーの裏にある関係性とは?
いよいよ公開される劇場アニメ『閃光のハサウェイ』で、活躍が予想される2機のガンダム。その2機の間には意外な関係性も……?
Ξガンダムとペーネロペーの隠された関係性
2021年5月21日(金)から劇場公開されるアニメ映画『機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ』は、1989年に小説として発表されて以来、ファン待望の映像化です。主役MS(モビルスーツ)として登場するのが「RX-105 Ξ(クスィー)ガンダム」。アムロ・レイが最後に搭乗していた「RX-93 ν(ニュー)ガンダム」を引き継ぐという意味で名付けられました。
そのライバル機にあたるMSが「RX-104FF ペーネロペー」です。本作では、この2機のMSの戦いがメインで描かれると見られています。少なくとも小説版ではそういう流れでした。
この2機のMS、メカにあまり詳しくない方から「見分けがつかない」というご意見をよく聞きます。確かに2機ともガンダムカラーで、シルエットも似ている部分が多いので見分けがつかないというご意見も理解できます。ちなみに小説発表時にデザインを担当したのは森木靖泰さんでした。
実はこの2機は型式番号で一目瞭然ですが、兄弟機にあたるMSです。
作品が最初に発表されて以降、長い年月の間にいくつかの設定変更がありました。まずペーネロペーは本来、機体設計にガンダム系MSの影響があるという設定がありますが、正式には「ガンダム」ではありません。
これが2000年に発売されたPlayStation用ソフト『SDガンダムGGENERATION-F』に登場することになった際、Ξガンダムとともに森木さんによってデザインが一新されました。
その後、2001年にペーネロペーは「RX-104 オデュッセウスガンダム」にフライトユニットを装着したMSという設定になります。ここでペーネロペーは晴れてガンダムということになりました。
そして2005年。「GUNDAM FIX FIGURATION」というシリーズで初の立体化をした際、カトキハジメさんがデザインをリニューアルし、Ξガンダムからオデュッセウスガンダム、そしてペーネロペーに換装できるコンバーチブルモデルとして発売されます。
このシリーズでは、組み換えにより別のMSに変更できるというのがセールスポイントでした。そういうわけで正式な同一機体ではありませんが、Ξガンダムとペーネロペーはそれだけ設計コンセプトが近いMSというわけです。
そんな経緯を考えると、2機のデザイン上の違いは、こだわりのあるファンには簡単でも、普通の人にはむずかしい間違い探しのようなものかもしれません。
ちなみに、ギリシア神話に詳しい人なら、名前の秘密に気がついたでしょうか? オデュッセウス(英語名;ユリシーズ)の妻の名前がペーネロペー。アナハイム製ガンダム開始からの年月と、MSへのミノフスキー・クラフト搭載に20年費やしたことから、トロイア戦争以降に20年間の放浪の旅を強いられたオデュッセウスにかけた……という設定だそうです。