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今も作品動画の投稿続く『メイドイン俺』…衝撃だった「ストⅡ」や「ゼビウス」のシーン再現

11年前の2009年4月29日に発売されたニンテンドーDS用ソフト『メイドイン俺』は、過去シリーズ作品から基本システムを踏襲しつつ、本作はシリーズ初となる”ゲーム自作ツール”を搭載し、プレイヤーを受け手から作り手へと変えるシステムを採用。一部のプレイヤーは、同作からコミュニティを驚かせるような作品を生み出しました。

「メイド イン ワリオ」シリーズ初、ゲームづくりに特化

ニンテンドーDS用ソフト『メイドイン俺』(任天堂)
ニンテンドーDS用ソフト『メイドイン俺』(任天堂)

「5秒のゲームを作って遊ぶ、もらって遊ぶ!」

 これは、2009年4月29日に発売されたニンテンドーDS(以下、DS)用ソフト『メイドイン俺』のキャッチコピーです。本作は「メイド イン ワリオ」シリーズ初となる”ゲーム自作ツール”を搭載し、ソフトを購入したユーザーがゲーム内容をアレンジすることができただけでなく、インターネットを介して自作ソフトの配信やダウンロードも可能でした。

 そもそも「メイド イン ワリオ」シリーズとは、突発的に出題される「プチゲーム」(数秒~数十秒で終了するミニゲーム)を、プレイヤーが臨機応変に対処して突破する”瞬間アクションゲーム”。言わばプレイヤーは完全な受け手であり、シリーズを通して「大量に収録されたプチゲームをひたすらクリアする」という遊び方に留まっていたのです。

 一方、『メイドイン俺』は基本的なゲームシステムを踏襲しつつ、プレイヤーを受け手から作り手へと変える新機軸を採用していました。その柱を担ったのが、冒頭で述べたゲーム自作ツール。作中では「スーパーツクリエイター21」と呼ばれており、プレイヤーはこの機能を使ってプチゲームならぬ、「俺ゲーム」を作っていくことになります。

意外と敷居が低かったゲーム自作ツール

 本作におけるゲームづくりは全部で4つの工程に分かれており、その様子はさながら現実のゲーム制作をミニチュア化したといっても過言ではありません。というのも、キャラクターイラスト・背景・BGMといった素材の調達に加え、素材の動き(条件づけ)やゲームのクリア条件まで、プレイヤー自身で設計する必要があったからです。

 タッチペンを走らせてイラストを描き、プチゲームのバックに流れるBGMを作曲し、できあがった素材にひとつずつ命令を吹き込む……特に、命令を設定する「くみたて」工程は「○○の時にxxする」という具合に、簡易的ながらもプログラミングに近い性質を備えていました。

 とはいえ実際のところ、プチゲーム自作の難易度はそこまで高くなかったのです。もちろんクオリティの高いプチゲームをイチから作るとなれば話は変わります。しかし、「障害物を避ける」「時間以内にボタンを押す」といった単純な仕掛けなら、本作にあらかじめ収録済みのサンプルゲームから命令パターンを流用できます。その際に素材だけ自作しておけば、立派に「俺ゲーム」の完成までこじつけることができたのです。

 また、素材の調達に関してもお助け機能が充実しています。サンプルとして用意されているイラストおよび背景を拝借しても良し、「マエストロ」に頼んでBGMの作曲をおまかせするも良し。「絵は得意だけど命令を吹き込むのが面倒」という場合でも、プレイヤーが指示に従って素材を自作する代わりに、プログラム部分をゲーム側に全て作ってもらう「バイトべや」なる専用モードも搭載されていました。

【画像】「ゲームが作れるゲーム」の名作シリーズ、作品はSwich向けに配信も(7枚)

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