『閃光のハサウェイ』公開前に、ゲーム『クライマックスU.C.』で宇宙世紀を振り返る
劇場公開が迫る『機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ』は、『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア』以後の宇宙世紀がアニメで描かれるという点でも注目を集めています。約半世紀にわたる宇宙世紀の戦いを体感できるゲーム『クライマックスU.C.』で、映画への期待はさらに盛り上がるか……?
「1年戦争」から「F91」の時代までを駆け抜ける
1988年に公開された『機動戦士ガンダム・逆襲のシャア』で描かれた宇宙世紀0093年から12年後の世界を舞台とした劇場アニメ『機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ』の公開がいよいよ迫ってまいりました。新型コロナウイルスの影響で公開日は延期を重ね、2021年5月21日(金)に変更されましたが、「第二次ネオ・ジオン抗争」以降の宇宙世紀が果たしてどのように描かれているのか、待ち望んでいるファンの方も多いと思います。
その宇宙世紀を舞台にしたゲームのなかでも、2006年にバンダイから発売されたPlayStation2用ゲーム『機動戦士ガンダム クライマックスU.C.』は、いわゆる「ファースト・ガンダム」と呼ばれるU.C.0079の「1年戦争」から、『機動戦士ガンダムF91」で描かれた「コスモ・バビロニア建国戦争」のU.C.0123、そして『機動戦士クロスボーン・ガンダム」のU.C.0133まで……半世紀以上にわたる宇宙世紀の物語が一大叙事詩のような時間軸で展開されます。
半世紀以上に渡る壮大な時間を描いたゲームのため、それぞれの内容が薄めになってしまっているのは否めないのですが、そこはPlayStation2のデータ処理のボリュームを考えると致し方ない部分でしょう。
特に、TVシリーズで放映された『機動戦士ガンダム』や『Zガンダム』、『ガンダムZZ』は内容が大きく割愛されてしまっているのですが、筆者の個人的な意見をいえば、ゲーム全体としてはさほど不満に感じませんでした。
それよりも、OVAシリーズの『第08MS小隊』や『ポケットの中の戦争」、『0083スターダスト・メモリー」、そして映画の『逆襲のシャア』や『F91』などのストーリーを踏襲した内容はなかなか秀逸なものとなっており、それぞれの主人公を追った「クロニクルモード」とゲームオリジナルのキャラクターを育成し、親子2代に渡って宇宙世紀を戦い抜く「プログレスモード」が用意されています。
後者では「連邦」や「ジオン」、「エウーゴ」や「ティターンズ」など物語の要所で所属部隊が選択可能で、ゲームの結果如何によって獲得能力ポイントも変化。さらにはカード収集モードなどもあり、やりこみ要素も多いゲームとなっています。