「打ち切り」で最終回を迎えた悲運のマンガ原作アニメ 復活できた理由とは?
『ダイの大冒険』『シャーマンキング』など、近年、テレビアニメとして再始動する名作たち。かつて「打ち切り」という形で最終回を迎えた悲運の作品たちを振り返ってみます。そこには、さまざまな事情がありました。
リメイクの原動力はファンの変わらぬ熱意にあり

近年、一度はアニメで最終回を迎えたマンガが再アニメ化という形でリメイクされています。『ドラゴンクエスト ダイの大冒険』、『シャーマンキング』は、旧作ですでに描かれた物語冒頭から放送を開始しています。
詳細はまだ不明ですが、『SLAM DUNK』、『BLEACH』も再アニメ化の情報が公開されています。
それぞれ事情は違いますが、ファンからすれば「ラストまで見たい」という気持ちが叶うのだからうれしい限り。しかし、なぜ人気があったのにアニメは終了したのでしょうか? それには当たり前すぎる事情がありました。
大まかに言うと、テレビアニメが原作に追いつくということが原因です。アニメの1話分は原作マンガの数話分というのが普通。つまり放送期間が長くなれば「原作に追いつく」ということになります。これは製作上、避けては通れません。
そこで人気があっても、泣く泣く物語途中で最終回を迎えるテレビアニメがあるわけです。これを避けるため、「アニメオリジナルストーリー」で原作マンガとの距離を広げようとするのがアニメ業界の定番でした。
ただし、これは諸刃の剣で、アニメスタッフと原作サイドの連携が取れていないとアニメオリジナルと原作マンガでつじつまが合わないことになります。『聖闘士星矢』では、氷河と瞬の師匠をアニメで先に出したため、マンガとは別人になったことがありました。
しかし、2000年代終盤からひとつの手法が生まれて諸問題を解決します。それが「シーズン制」。決められた期間に予定された原作話数を放送する方法。そして、何回かのシーズンに分けて放送するわけです。
この手法により、原作途中でアニメ打ち切りという作品が劇的に減りました。
そのため、近年では一度放送が終わっても、再び放送が始まるという安心感でシーズン最終回を迎えられます。
そうすると今度は以前、中途半端な最終回を迎えた作品が気になるもの。昨今のリメイク作品ラッシュの要因のひとつはここにあるのかもしれません。
リメイクできる最大の理由は、その作品に現在製作して収益が見込めるか? ということでしょう。現在においても何らかの収益が見込める作品。これまでのリメイク作品を見ると、そこにポイントだと分かります。
下世話な話と毛嫌いする人もいるかもしれませんが、反対から見ると、いまだに多くのファンがいる作品ということになりませんか?
まだ商売として成立するから作品が復活できる。そう考えれば、ファンの変わらぬ熱意が作品をふたたび羽ばたかせる原動力になるわけです。
つまり何年も停止した作品が動き出すのは、こういった昔の作品を見ていたファンの気持ちが大きいのではないでしょうか。