【漫画】ストレスでの休養が義務の世界 “頑張らない”ことに悩む女性が出会ったのは…
ストレス検査で引っかかって、休養することになった女性。周りから過剰に「頑張らないで」と言われ、次第に“頑張らない”ことに難しさを感じるように……。しのとさんがTwitterで公開している創作マンガが好評です。
表面的な定型句ではなく心から人を思いやる言葉の大切さ
国の政策により、ストレス検査で引っかかると休養することが義務化された社会。ある女性が、しばらく仕事を休んで休養病棟で入院することになりました。そこでは誰もが「頑張らないで」と声をかけてきて、ちょっとした他人の手伝いすら禁じられ……。
しのとさん(@tnonis69)が創作マンガ『がんばり屋さんと、がんばらないのが上手い人の話』をTwitterで公開しています。読者から「人によって休み方が多分違うのかな」「とってもいいお話でした」などの感想が寄せられている作品です。
作者のしのとさんに、お話を聞きました。
ーーしのとさんがマンガを描き始めたきっかけを教えて下さい。
物心つく前から広告の裏とかに描いていました。ちゃんと原稿用紙に描くようになったのは高校の時に文通していた人から「投稿とかしないの?」と言われたことがきっかけです。
ーー今回の作品はどのように生まれましたか?
このマンガを描いたのは実は2年前でして、当時マンガのことでいろいろ悩んでたんですが、一部フォロワ―さんに悩みを相談した時に「ありのままで良かったんだなぁ」と気付けたことがうれしくてマンガにしました。
今、マンガの講義を受けていて「毎日Twitterマンガを公開する」という課題があり、2021年1月から毎日投稿を頑張っていたんですが本業が忙しくて……。1週間新作をお休みする代わりの再掲載だったんですが、それでこのマンガが伸びたので「あ、はい。頑張るのやめます!」って素直になれました(笑)。
ーー本作では「頑張らないで」という言葉がポイントでした。しのとさんが「頑張らないで」という言葉について感じることや考えていることを、詳しくお聞かせ下さい。
「頑張らないで」という言葉は、本当は気遣いのつもりだろうけど受け取り手にとっては「あなたは不要の存在」と言われている気分になるかもしれません。コロナの自粛期間、働いてないのに給料だけもらえている状態がつらいという人をちらほら見かけたので、「誰かに必要とされている」と感じられることって大切なんだろうなと思います。
なので、「頑張らないで」ではなく「頑張らなくて大丈夫だよ」と言われると、ちょっと安心できるな、って思いました。
ーー「頑張らないで」とは反対の「頑張って」という言葉について思うことは何かありますか?
「頑張って」は、状況によっては真逆になるので難しい言葉だと思います。“応援”になり背中を押してくれる時もあれば、ゴールに辿り着けない不安や不甲斐なさに押しつぶされる時もある。私も基本的には「頑張って」って言われるとすごくうれしいんですが、応援してもらってる分「何も結果を出せていない」ってときどき勝手に凹むこともあります。
ーー作品に対する読者からの反応で、特に印象に残った声があれば教えて下さい。
正確なツイート文は忘れましたが「今の私コレだ!」って、「何となくモヤモヤした気持ちの原因が分かった」という反応がちらほらあったので、マンガにしたことで誰かの心が少しでも晴れたことがうれしかったです。
ーー今後、Twitterで発表される作品については、どのように活動していきたいとお考えでしょうか?
世間の需要や流行りに流されず、頑張りすぎず(笑)。私の好きなものを好きなようにアップしていきたいなと思います。
(マグミクス編集部)