【声優・本多真梨子のマンガ愛(24)】主人公に捧げられる「重すぎる愛」にため息が…
マンガをこよなく愛する声優、本多真梨子さんが、心からおすすめしたいマンガを紹介します。24回目は、恋を知らない主人公の少女と、愛が重すぎるイケメン男子の初恋物語。「愛される喜び」に共感必至な少女マンガです。
嗚呼、羨ましい。こんなに愛されてみたいぃーーーーー!!
少女マンガはすごいよ……やっぱり女の子のためのファンタジー。いま改めて読み返して、実感のため息が出た本多です。
森野萌先生の『花野井くんと恋の病』。
乙女ゲーム好き女子や、少女マンガ大好き女子に届けたいマンガ! 1巻から、現在発売中の7巻までまるっと通して、花野井くんの愛が!愛がすごいんです!!
女の子はみんなみんな、愛されたいんじゃーーーー!!!!!!!!(心の叫び)
………あ、すみません。心の声が。
『花野井くんと恋の病』は、こんなお話です。
雪のなか、黄昏れた背中に何気なく差し出した傘。これをきっかけに、隣のクラスのイケメン花野井くんからの猛烈なアプローチ! 恋を知らない普通女子ほたると、愛が重すぎるイケメン花野井くんの初恋ラブストーリー……というあらすじなんですが、もう、ほんと、第1巻から、花野井くんの愛の重さがすごい。
尽くす系男子の集大成を見ましたね。こんな……こんな……人のために尽くすことってできるのかと、私涙があふれました。
雪のなか、ほたるの無くしたヘアピンを夜になるまでずっと探し続ける花野井くん。髪型から見た目まで、全てほたるの好みを聞いてその通りになる花野井くん。朝の登校の待ち合わせに1時間以上前から待つ花野井くん。
忠犬ハチ公だってここまでしないでしょ……ってくらいの、尽くす系男子。
「僕が一番…ほたるちゃんのこと、世界で一番大好きだから」って言葉を花野井くんが言うのですが、これ……「うん!ほんとそれな!!」と声を大にして言いたい!
1巻のほぼ序盤から、花野井くんに全力で愛されるほたる。いや、正直……すごい羨ましい(笑)
でもこの花野井くんの全力の恋は、実は理由があったりして……。そこはぜひマンガを読んで知っていただけたら…! たら! たら!
それでは最後に、本多的おススメポイントを。
このマンガの本多的一番の醍醐味は……「花野井くんの表情」! ほたるに感情を向ける時だけ、色んな表情に変わる花野井くんが読んでいてキュンキュンします!
いつもクールで無表情な分、笑顔になると、もう後光が射して眩しいくらい。そしてイケメン。とても綺麗なイケメンです。いつもクールな人がちょっとピュアになるのもポイント高いです!
そしてもうひとつ!ほたるちゃんがとても素朴で可愛いくて良い子なんです!!!
例えるなら、柴犬!そう!柴犬なんです! 素朴のなかにある愛嬌!!! そんな女の子なんです。
このほたるちゃんのキャラクターがとても良くて、読者の女の子が共感しやすいキャラなんです。少女マンガの主人公って、特殊な例を除いて、どの子も読者の女の子が共感しやすかったり、投影しやすかったりするキャラが多い気がします。例えば、性格がひねくれすぎているような主人公だと、共感や投影はしづらいですもんね。
ちなみに私は共感型です。「ほたるちゃん」という主人公に幸せになってもらいたい! と思いながらマンガを読み進めます。
皆さんはどちらのタイプですか? 主人公に幸せになって!と共感しながら読むのか、自分自身が主人公のポジションになって読むのか……それ以外にもマンガの読み方があったら教えてください!
それでは改めて、本日ご紹介した作品は!
講談社「月刊デザート」で連載中の『花野井くんと恋の病』。
愛されたいあなたに贈ります。(私かな)
(本多真梨子)