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復活した『キン肉マン』が熱く支持される理由。「友情パワー」は現代に即して変化…?

変わらぬはずの「友情パワー」が時代に合わせて変化?

現時点で最新巻となる、『キン肉マン』第74巻(集英社)
現時点で最新巻となる、『キン肉マン』第74巻(集英社)

 本シリーズで明かされた衝撃の事実……それは、「火事場のクソ力」と「友情パワー」は同じものだったということです。そして、キン肉マンが友情パワーを超人界に広め拡散していることを脅威に思い、キン肉マンとその影響を受けた超人を抹殺するというのが、完璧超人の真の目的でした。

 この友情パワーは、作中では慈悲の心とも、使命感とも語られています。つまり、思いの強さなのではないでしょうか? ……筆者はそう感じました。

 すべての戦いが終結した時、キン肉マンは次のように語ります。

「もしかしたら…この世に絶対的な正義などないのかもしれん」(中略)
「だって我々だけじゃない」「あんたら完璧超人も悪魔超人もそれぞれの言い分に理があった」
「今回の闘いに関していえば誰にも悪意は一切なかった」「誰も間違ってはいなかった」

 大王となったキン肉マンだから言えたセリフであり、闘うことでお互いの心を理解するからこそ、この結論に至ったのだと思います。

 筆者は、これを友情パワーの「多様性」だと思いました。相手が異なる信念を持っていても、ぶつかり合うことでお互いの譲れないものを理解して打開点をさぐる。闘いでは単純に強い者が勝つという形に見えますが、決してそうではなく「心」の強い者が勝つ。その心の源こそが「火事場のクソ力」だと。

 本シリーズでは、これまでの「善と悪」という単純なカテゴリーではなく、「意見の異なる者同士の闘い」という図式で成り立っています。そこには相手に対するリスペクトの気持ち、イデオロギーの対立といった、現代人がかかえる問題を読み解くヒントが隠されているのではないでしょうか。

 そして相手を思いやることのできる友情パワーの「多様性」。かつて夢中になった『キン肉マン』で現代社会に起きる諸問題を読み解くことができるのです。これこそが、今という時代に復活した『キン肉マン』の人気が、かつてのように盛り上がる要因なのかもしれません。

 もちろん、これは筆者が深読みしているだけであって、やはり往年のファンが興奮する展開が見られることが一番の注目ポイントです。往年の謎だった伏線回収や、以前に登場した超人が復活して活躍するなど、『キン肉マン』ファンなら見たかった名場面がてんこ盛り。なつかしの超人募集のコーナーも毎週ありますので、かつて応募して採用されなかった人とってはチャンスです。

 もしも、かつてのファンでまだ新シリーズを読んだことないの人がいたら、ぜひ読むことをおススメしたいです。新時代を生きる超人たちの行動から、きっと学べることがあるでしょう。

(加々美利治)

【画像】マンガとともに現代に蘇った、「キンケシ」たち。セットの種類も充実? (5枚)

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