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伝説の特撮『魔人ハンターミツルギ』。時代劇と巨大ロボが融合も、現場は逼迫して…?

やはり現場を圧迫した、アニクリエーションでの制作

(左から)彗星、銀河、月光のミツルギ忍者三兄妹。智・仁・愛の秘刀を合わせると魔人ミツルギに変身する
(左から)彗星、銀河、月光のミツルギ忍者三兄妹。智・仁・愛の秘刀を合わせると魔人ミツルギに変身する

 そんな『魔人ハンターミツルギ』は、わずか12話で終了します。一番のネックは、やはりアニクリエーションだったようです。国際放映は専用スタジオを設け、担当班は昼夜を問わずフル活動。しかし、人形を少しずつ動かしてカメラに収める作業の繰り返しはとてつもない時間がかかるため、1日で撮影できたのは良くて20秒から30秒だったとか。

 そのため、話数が進むにつれて、人形の顔をアップにして足下を持って動かしていたり、静止画が長かったりと、目に見えてスタッフの逼迫した状況が伝わるようになります。最大の見せ場だったはずのバトルシーンは、毎週90秒ほどが限界でした。

 また、時代劇はセットや衣装も全て専用です。屋外ロケ地は寺社や城、自然が広がる山野や採石場などに限られます。制作費はかかるしロケのスケジュールもカツカツ。これで毎週30分仕上げるのは過酷すぎたのかもしれません。

 あらためて見返してみると、全体的にツッコミどころはたくさんありました。江戸時代なのに三兄弟はヘルメットをかぶり、手榴弾を使います。サソリ軍団は宇宙から来たのに、なぜか和装で武器が刀や弓矢です。特撮ファンの間では“特撮ワースト作品”とする人も多いと聞きましたが、裏を返せば、それほど印象深かったという見方もできます。

 筆者は個人的に好きでしたし、主題歌「走れ!嵐の中を」の“♪まじーんハンター まじーんハンター ミツルギ参上~!”というサビが大好きで、レコードも買ってもらったほどでした。

 もし、巨大神ミツルギが着ぐるみ撮影だったら、人気や評価はどうだっただろう……? そんなことを思う人は私だけではないかもしれません。しかし、第2次怪獣ブームの時代、アニクリエーションで巨大ヒーロー特撮に挑戦した『魔人ハンターミツルギ』は、ひとつの伝説を残した番組といってよいでしょう。

(石原久稔)

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