「カウンタック」誕生から50年。時代に衝撃与えるも、意外な事実が次々と…?
カウンタック人気で生まれた意外な影響

スーパーカーのトップモデルとしてもてはやされたカウンタックですが、その人気はさまざまな分野で大きな影響を与えています。
スーパーカーブームの立役者である大ヒットマンガ『サーキットの狼』(1975~79年)では、ハマの黒豹の愛車として登場しました。このキャラにはモデルがいて、横浜在住で実際に黒いカウンタックに乗っていたそうです。
TVアニメ『アローエンブレム グランプリの鷹』(1977年)では、主人公・轟鷹也の愛車として中盤から登場。そして、この番組バージョンでカラーリングされたカウンタックは、番組オリジナルマシンと一緒にナンバリングされて販売されました。実車としては唯一のラインナップで、当時のカウンタックの人気がよくわかります。
ちなみに、鷹也が序盤に乗っていた番組オリジナルマシンのカトリ・スーパーロマンはカウンタックのイメージが強くあり、ドアはカウンタックと逆のシザードアになっていました。
ブーム当時、もっとも子供たちが手にしたアイテムは、やはりスーパーカー消しゴムでしょう。ガチャポンや当たりくじなど、さまざまな形で販売されていました。当然、カウンタックは当たりだったことが多かったです。
次いでトミカをはじめとするミニカー。さらにプラモデルなども人気の高い商品でした。もっとも品数が多かったのは1/24で、どのメーカーもラインナップにカウンタックを入れていたと思います。
しかし、1/24のシャーシが共通のメーカーもあり、ホイルベースから逆算したサイズのため、正確な1/24でないものもありました。逆を言えば、それだけ売れていたということになります。
このプラモデルのなかで忘れられない商品が、アオシマから販売された「合体マシン・カウンタック」。4つのマシンを合体させるとカウンタックになるという、おどろきの商品です。
このシリーズは本来、ロボットや戦艦を合体させるというコンセプトだったのですが、カウンタックは当時の子供たちの人気も高かったのでラインアップされていました。つまり当時のカウンタックの人気は、テレビで活躍するロボットたちに匹敵するものだったということです。
カウンタックが革命を起こしたと言えば、タカラのダイアクロンシリーズの「カーロボット」を忘れてはいけません。実在の車がロボットになるという斬新なコンセプトのシリーズの第1号となったのがカウンタックでした。
しかも、カウンタックはその人気の高さゆえか、最初に販売された商品よりも実車に近づけたデザインで、シリーズ中盤に再度新しい商品が登場しています。このカーロボットが後にアメリカで「トランスフォーマー」として再誕するわけですから、その影響は海外にも及びました。
筆者が大人になってから一度だけ公道を走るカウンタックを目撃したことがありますが、今でも興奮したことをおぼえています。やはりカウンタックは永遠にあこがれのスーパーカーですね。
(加々美利治)