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【シャーマンキング30周年への情熱(35)】豪華演出で「BoZ」登場、盛りだくさんの幕間劇

「父親超え」を決意した蓮の心境とは?

葉との戦いを経て、人間についての考え方を改めた道蓮は、中国の故郷へと向かう。アニメ『シャーマンキング』第10話より
葉との戦いを経て、人間についての考え方を改めた道蓮は、中国の故郷へと向かう。アニメ『シャーマンキング』第10話より

 さて、いろいろとクセのあるBoZですが、それでもハオの仲間には違いなく、葉もたまおも窮地に立たされます。そこで登場したのが……「木刀の竜」こと梅宮竜之介でした。存在が濃すぎるのでみなさん気付いていなかったかもしれませんが、実は彼はまん太と出雲に行って以来、登場していなかったんですよ!

 それが蜥蜴郎(とかげろう)を持霊にし、しかもシャーマンファイト本戦への参加資格を得て戻ってくるという意外な展開! 自分の「かっこいい」が一番だと言ってシャーマンになるのもアリだとまん太に語っていた彼は、それを成し遂げてしまったわけですね。行動力の塊というか、実は骨のある男です。そんな彼がどのようにしてシャーマンになったのかは、そのうち描かれるはずです。楽しみに待ちましょう。

 最後に忘れてはいけないのが、ここ数話にわたって語られてきた道蓮のエピソードです。いよいよ本質に迫ろうとしています。

 葉との出会いを通じて、蓮は自分の過ちを認めました。しかしいくら反省してもこれまで殺めた命は戻って来ません。自分が死んでもそれは楽な道を選んで逃げるだけで責任を取ったことにはなりません。ですから彼は、世界を変えようという願いを貫き通すことを決意します。

 ただ、今は意味が違います。これまでは「全ての人間が憎い、そう思うように仕向けた道家が憎い、だから全部ぶっ壊してしまえ!」という考えだったものが、「人間が憎いのではなく『憎しみが憎しみを生む連鎖の構造』が憎いからそれが無くなる世界を作ろう」というものに変化しました。

 この決定打となったのは、列車の中で桃まんをもらったことです。蓮は「全ての人間は道家を追いやった憎い敵」として恨むことだけを教育されているので、「人間はそれほど汚くない」という当たり前の結論を得るには、いくつも理由が必要なんです。洗脳にも近い状態から自分で抜け出した蓮の意思は凄まじいですね。潤も蓮も、鬼のようなメンタルの持ち主です。

 そして、これからの自分の人生が、道家に縛られないものであることを確認するためには、間違った教育をした父を倒す必要があると確信するのですが。これは「○○超え」という物語構造で、ここでは「父を超える子の物語」です。間違いなく熱い展開になるので、次回が楽しみです!

 こうしてみると、10話は重要な要素の詰まった回だったことがわかります。これからも目の離せない展開が待っていますが、まずは蓮の父親超えを見守りましょう!

 それでは今回はこの辺で。また次回よろしくお願いします!

(タシロハヤト)

(C) 武井宏之・講談社/SHAMAN KING Project.・テレビ東京

【画像】『シャーマンキング』だからこその名場面? 敵も味方も一緒の宴会シーン(7枚)

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タシロハヤト

美少女ゲームブランド「âge(アージュ)」の創立メンバーで、長らくシナリオ、演出、監督等を務める。代表作は「君が望む永遠」シリーズ、「マブラヴ」シリーズ。現在はフリーで活動中。『シャーマンキング』の作者、武井宏之氏と旧知の関係である縁から、同作の20周年企画に参加している。
https://twitter.com/tamwoo_k