漫画『スパイダーゲドン』で全次元スパイダーマンが集結、未登場の日本発主人公も注目?
姿を見せなかった日本生まれのスパイダーマンとは?

『スパイダーゲドン』に登場するのは、個性的でそれぞれの価値観を持った特徴あるスパイダーマンばかりですが、この『スパイダーゲドン』にも、前作『スパイダーバース』にも姿を現していない日本発スパイダーマンが存在します。
前作のコミック『スパイダーバース』では、「コミックボンボン」で連載された山中あきら氏による『スパイダーマンJ』が登場していましたが、同じマンガ版スパイダーマンとして知られる池上遼一版のスパイダーマンは登場していませんでした。
池上遼一版スパイダーマンは、1970年代に劇画作家で知られる池上遼一氏が作画を手掛けた作品で、講談社から出版されています。のちに英訳版もマーベルから刊行されており、スパイダーマン作品として認められています。主人公であるピーター・パーカーを科学オタクの高校生・小森ユウに、NYを東京に置き換えて描かれ、劇画タッチのオリジナリティあふれる作品になっています。
内容も、スパイダーマンはヒーローとは認められておらず、ひたすらに苦悩するといいうストーリーが展開されます。出てくるヴィランも何らかの被害者といった人物ばかりで、非常に重めの話を中心に進んでいきます。途中の7話から最終話である13話まで脚本を担当していたのは「幻魔大戦」シリーズで知られる作家・平井和正氏で、自身が過去に発表した短編小説のエピソードをスパイダーマンのマンガに落とし込んだといいます。
実は、『スパイダーバース』では名前だけ登場しており、、姿は現さなかったが「実際に動く池上版スパイダーマンがいたらどう絡んでいたのだろう……?」と想像がかきたてられる存在でした。
ふたり目は、2019年に「マガジンポケット」で連載開始した『スパイダーマン/偽りの赤』の主人公である「フェイクレッドスパイダーマン」です。日本人作家・大沢祐輔氏によるスパイダーマン作品で、ストーリーはMARVELが監修。スパイダーマンに憧れるニューヨーク在住の高校生・尾ノ前侑が、ある日スパイダーマンスーツを拾ってしまうことで偽物のスパイダーマンとして活動をする……というストーリーです。PlayStation4用ゲーム『Marvel’s Spider-Man』がベースになっており、有名ヴィランも登場します。
スパイダーマンの世界では「誰にだってマスクは被れる」というメッセージがありますが、「偽りの赤」はそのメッセージがより刺さるような展開になっています。2020年3月に「PHASE1」が終了し、4月には単行本が発売されましたが、同年6月に打ち切りが発表されたのは残念でなりません。続編を望むファンも多い作品です。
これらのコミックが原作になるかどうかは分かりませんが、『スパイダーゲドン』『スパイダーバース』に登場しなかったふたりのスパイダーマンが、いつかアニメなどで登場する日を楽しみに待ちたいと思います。
(大野なおと)


