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表紙絵がうますぎ! もはや「飾りたいマンガ」選手権 意外な作者の思いも

コミックスの顔である「表紙」。マンガファンなら誰しも「大好きな表紙」があることでしょう。そこで本稿では大好きを通り越して部屋に飾りたい、そんな作品をご紹介します。

棚にしまいたくない! マンガの「表紙」に込められた作者の創意に脱帽

著:桂正和『I"s』文庫版第1巻(集英社)
著:桂正和『I"s』文庫版第1巻(集英社)

 表紙が良すぎて思わず本棚にしまわず、飾りたくなるコミックス、ありますよね? ひと目でその作品の世界観を呈示する表紙はまさにコミックスの「顔」であり売上にも大きく影響すると言われています。そこで今回は優れたデザインの表紙のなかから、とりわけ「飾りたい」ほど素敵なものを厳選してご紹介。じっくり眺めているうちに、表紙デザインにさまざまな意図が込められていることが分かってきました。(本稿は完全版などのブックデザインを一新したものは候補より外しております)

●世界的美術館にあってもおかしくない…『I”s』(著:桂正和)

 今やジャパニーズポップカルチャーを担う存在となった桂正和先生の代表作『I”s』。この表紙は世界中のどこの美術館に飾られてもおかしくないレベルと言っても過言ではない……そう信じたいです。半リアリズムで描かれた女性キャラたちは光彩の加減も相まって、かわいらしいを通り越し中世の宗教画をも彷彿とさせる神々しさを放ちます。こと1巻は何度も加筆修正がなされており、版によって細部が微妙に異なっていたりします。 ゴッホの「ひまわり」にも通じる、桂正和先生の執念を感じさせる表紙なのです。……ぜひ、飾りましょう。

●深い色あいの背景が美しい…『亜人』(著:桜井画門)

 2021年2月に連載が終了した大人気マンガ『亜人』もむさぼり読んだのちに、飾りたくなるほど美しい「表紙」の持ち主です。書店に面陳された本作1巻を見たときは衝撃でした。ダークトーンのターコイズブルーに統一された背景に得体の知れぬ“人型の何か”がゆらりと佇んでいる「表紙絵」は今すぐ大型コピーして壁に貼りたくなるほどの完成度。続巻もこのスタイルが踏襲されているので必ず「刺さる」表紙があるはずです。……これはもう飾るより他ありません。

●ビビッドカラーで狂気を全面に押し出す『チェンソーマン』(著:藤本タツキ)

 ここ数年で最も注目された少年マンガのひとつ『チェンソーマン』の表紙も実はこの作品が持つ“問題児ぶり”を端的に表現しつつ、高いデザイン性を両立した傑作「表紙」です。タイトルロゴを敢えてイラストの背面に配置することでチェンソーマン自体の暴走ぶりを強調。ほとばしる緑色の鮮血が画面全体を引き締める……『亜人』とは逆のアプローチで攻めた傑作表紙です。胃酸ほとばしる会議前などに、この「表紙」をひと目見るだけで俄然、闘志が湧いてきそうです。これは飾りましょう。

●文字情報を巧みに背景に溶け込ませる『アイアムアヒーロー』(著:花沢健吾)

 花沢健吾氏の大ヒット作『アイアムアヒーロー』の表紙はどの巻も技巧が光ります。前述の通り、コミックスの表紙は巻数、タイトル、作者名と文字情報を入れ込まなくてはなりませんが、それを逆手に取ったのが本作。例えば18巻の表紙。一見、キャラクターと背景しかないように思えますが、隙間なく並ぶボンベに記載された文字に注目するとタイトルと巻数が隠されているのが分かります。完成度の高いイラストのなかにこうした「仕掛け」が施されている……気付けばもう飾っているレベルです。

●国も認定!ぜんぶ飾りたい松本大洋作品

 SNSでも圧倒的な支持を獲得しているのは巨匠・松本大洋氏の作品たちです。『ピンポン』『青い春』『GOGOモンスター』『ナンバーファイブ 吾』『竹光侍』……発表された作品の多くは最初からA5判であり、飾りやすさも十分。『ピンポン』のような白背景にパステル(のようなもの)で色付けされたキャラクターの一枚絵や、第11回文化庁メディア芸術祭マンガ部門で優秀賞受賞した際に「まず、表紙絵のすばらしさに魅了される。」との評価を得た『竹光侍』などなど……壁一面に飾りたいところです。

 ここまで比較的メジャーなタイトルから「飾りたいマンガ」を選出してきましたが、当然ながら日本にはまだまだ名表紙のコミックスがあります。極めてスタイリッシュなカネコアツシ氏『SOIL』、オノナツメ氏『リストランテ・パラディーゾ』、単色カラーにプンプンがうっすらと浮かぶ浅野いにお氏『おやすみプンプン』……さらに言えば宮崎駿氏の『風の谷のナウシカ』だってあるのです。もう、壁が足りません。一体、あなたが飾りたいコミックスは、なんでしょうか。

(片野)

【画像】美しすぎる、マンガ表紙を一気見(5枚)

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