懐かし「ワンダフル」枠の名作アニメ3選。有名声優を発掘した重要作も…!
1997年から1999年にかけて、バラエティ番組「ワンダフル」内のアニメ枠では個性的な作品が次々と放送され、ファンの注目を集めていました。今回はそのなかでも特に人気があった3作品を振り返ります。
週刊少年ジャンプの人気作品をアニメ化
1990年代の終わり頃、TBS系列の深夜番組「ワンダフル」内で個性的なアニメ作品が次々と放送されました。当時人気の高かったマンガ作品を中心にアニメ化され、ファンの注目を集めていました。今回はそのなかで特に人気があった3作品を振り返ります。
●『セクシーコマンドー外伝 すごいよ!!マサルさん』
1998年1月5日から4月2日にかけて放送。全48話。うすた京介先生が「週刊少年ジャンプ」に連載し、大ヒットを飛ばしたナンセンスシュールギャグ作品のアニメ化です。
冒頭に出てくる注意文が「これから始まるアニメーションはやけに良識ぶった方、くそまじめ野郎、いい子ぶりっこは見る必要なし!!」と、完全に振り切れていました。さらに音声では「音量を小さくしてお楽しみください」「大音量でお楽しみください」と、正反対の内容が流されるなど非常に挑戦的な内容となっていました。
さらにオープニングではPENICILLINの「ロマンス」に合わせてさまざまなアニメのパロディシーンがテンポよく展開されていましたが、放送当時のインタビューによれば「時間が無かったための苦肉の策」という側面があったようです。
本編でも原作ファンから「いったいどんな描写をするんだろう?」と思われていたシーンを、大地丙太郎監督が見事な手腕で演出。特に第1話で必殺の「ラブ・ミー・ドゥー」を繰り出す一連のシーンは、深夜テンションで見ると腹筋に危険が及ぶほどの衝撃がありました。「ワンダフル」アニメの礎を築いた一作といっても過言ではないでしょう。
●『浦安鉄筋家族』
1998年6月30日から8月24日にかけて放送。全32話。浜岡賢次氏が『週刊少年チャンピオン』に1993年から連載した原作を元もとにアニメ化。なお原作はタイトルを変更しつつも2021年現在まで連載が続いています。基本的に1話完結で絶えず笑えるネタを提供し続けなければならないギャグマンガとしては驚異的な連載期間といえるでしょう。
アニメ化において、『浦安鉄筋家族』のような1話完結の短いストーリーでは間が持たないことが多いため、非常に難しいとされています。この難題に取り組んだのは「マサルさん」でも監督を務めた大地丙太郎氏。大地氏はショッカーO野氏によるナレーションや挿入歌を加えることにより、間延びさせずに尺を整えつつテンポよくギャグを展開し、原作の持ち味を引き出すことに成功しました。
しかし原作のパロディ要素が強い部分はさすがに手を加えないわけにはいかず、アントニオ猪木氏をモデルにした国会議員など、肖像権が関係するキャラクターの出番はカットされるかデザインの変更が行われています。