『カウボーイビバップ』のTV最終回「よせあつめブルース」でわかった、真のエンディング
1998年6月26日は、アニメ『カウボーイビバップ』の地上波放送版最終回「よせあつめブルース」が放送された日です。本来26話で構成されていた本作でしたが最初の放送時には13話までしか放送枠が確保されておらず、仮の最終回が製作されています。
90年代アニメーションの最高傑作『カウボーイビバップ』
1998年6月26日は、アニメ『カウボーイビバップ』の地上波放送版最終回「よせあつめブルース」が放送された日です。『新世紀エヴァンゲリオン』がもたらした1990年代半ば以降のアニメブームの熱冷めやらぬ時期に放送された本作は、主人公スパイク・スピーゲルを山寺宏一氏、相棒のジェット・ブラックを故・石塚運昇氏、不慮の事故により過去と切り離されてしまった女イカサマ師、フェイ・バレンタインを林原めぐみ氏が演じ、実力派声優が顔を揃えた作品です。
ひと癖もふた癖もあるキャラクターたちによるクールな台詞回し、ドタバタコメディでありながら根底に秘められたシリアスなストーリー、華麗なメカアクションなど、非常に見どころが多い作品です。
オープニングテーマの「TANK!」は、作曲を菅野よう子氏が担当し、シルエットを多用した映像と相まってアニメミュージックの世界に大きなインパクトをもたらしました。また、エンディングテーマの「THE REAL FOLK BLUES」も、ウェットな雰囲気を前面に押し出した名曲として知られています。
キャラクター・ストーリー・作画・設定・音楽などアニメを構成するすべての要素が高度なレベルで結実した本作は日本国内のみならず海外からも高い評価を得ており、90年代を代表するアニメ作品といっても過言ではないでしょう。
さて、そんな『カウボーイビバップ』ですが、1998年の4月から6月にかけてテレビ東京系列で最初の放送が行われました。
しかしながらこのとき、全26話で構成されていたはずの『カウボーイビバップ』は13話分しか放送されていません。その理由は、この作品が非常に「渋い」雰囲気に満たされていたことにありました。今から考えると信じられないことですが、「この作品は売れない」と判断され、放送枠を確保できなかったのです。
約2年をかけてどうにか放送にこぎつけたものの、当初制作が予定されていた別作品が間に合わなかったための代打起用であり、枠は13話分しかありませんでした。しかもこの時期はアニメ『ポケットモンスター』で視聴者が光過敏性発作を起こしたいわゆる「ポケモンショック」などの理由によって非常に放送基準が厳しくなり、地上波での全話放送は叶わない状況となっていたのです。