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『ポケモン』トラウマ必至な怖い名所3選 「後味が悪い」「意味不明…」

1996年2月に誕生した「ポケットモンスター」は、2021年2月で25周年を迎えました。シリーズを通して受け継がれてきた同シリーズのホラー要素に注目し、多くの「ポケモン」プレイヤーがトラウマとなったであろうホラースポットを3つご紹介します。

「ポケモン」シリーズを彩るホラー要素

ニンテンドー3DS用ソフト『ポケットモンスター X』(任天堂)
ニンテンドー3DS用ソフト『ポケットモンスター X』(任天堂)

 2021年2月で生誕25周年を迎えた「ポケットモンスター」(以下、ポケモン)と言えば、最新作『ポケットモンスター ソード・シールド』にいたるまで大切に受け継がれてきた「収集」と「対戦」が大きな魅力。その一方で各タイトルに落とし込まれた数々のホラー要素も、関心を誘う一大トピックとして多くのプレイヤーに認知されています。この記事では「ポケモンのホラー要素」にフォーカスし、各世代の代表的なホラースポットをご紹介します。

●シオンタウン(ポケットモンスター 赤・緑)

 最初にご紹介するのは『ポケットモンスター 赤・緑』(1996年/ゲームボーイ)に登場した「シオンタウン」。こちらはシリーズ当初から存在しており、25年経った今もなお話題に上がる名スポットです。

 といっても街の規模はそこまで大きくなく、ポケモンセンターとフレンドリィショップを除けば民家は数軒しかありません。さらにジムバッジがもらえるポケモンジムもないため、最初に訪れた時点では”どうにも地味な場所”という印象が拭えないのも事実。しかし、プレイヤーの多くは町に入って数分も経たないうちに、シオンタオンの”恐ろしさ”を、身をもって体感することになります。

「テッテッテッテッ……」というイントロで始まる物悲しいBGMに、「ゆうれいはいると思う?」と唐突に尋ねてくる女の子。そして極めつけと言わんばかりの「ポケモンタワー」(ポケモンのお墓)では、明らかにポケモンとは異質の「幽霊」が出現し、「シルフスコープ」(幽霊を看破するアイテム)を持たずに戦闘へ突入したポケモンを行動不能へ陥れます。

 この幽霊は単に野生ポケモン的な立ち位置だけでなく、とあるエリアの”門番役”としても登場。こちらのイベントで姿を現すのは「ガラガラ」の幽霊で、戦闘に勝利した場合、「優しい魂に戻って天に昇って消えた」というメッセージと共に、その場で消滅していきます。シオンタウンの住人によると、このガラガラはどうやらロケット団の悪事に巻き込まれて命を失った模様。理由を聞いてからガラガラの霊を鎮める、もしくは霊を鎮めてから死の真相を聞く、そのどちらにせよ、ポケモンタワーの幽霊イベントはどうにも後味の悪さが残ります。

 ちなみに海外では、「シオンタウン症候群」・「ベリードアライブ」という都市伝説(うわさ話)がネット上で広く流行した様子。内容こそ異なりますが、両方とも”シオンタウンの異質さ”がキッカケとなって生まれたようです。

●もりのようかん(ポケットモンスター ダイヤモンド・パール)

 シオンタウンと並ぶ有名ホラースポットが「もりのようかん」。人気を感じさせないボロボロな外観とおどろおどろしい専用BGMも相まって、『ポケットモンスター ダイヤモンド・パール』(2006年/ニンテンドーDS)の”最恐ホラースポット”と言っても過言ではない存在感を放っています。この洋館に生息している「ロトム」を入手するため、全国図鑑の入手後に”音量(サウンド)をオフ”にし、テレビへの最短ルートを頭に叩き込んで探索に乗り出したプレイヤーも多かったのではないでしょうか?

 洋館の作り自体は豪勢ですが、住人が長い間いないせいか、内部はとにかく荒れ果てています。エントランスや客室のタイルは経年劣化ではがれており、少し歩き回るだけで「ゴース」や「ゴースト」が飛び出てくる始末。オマケに「プレイヤーを見つめる絵画」、「一騒動あったと思われる謎のメモ」(ポケットモンスター プラチナのみ)……などなど、恐怖心をあおるギミックが各所に仕掛けられているのです。

 その最上位と言うべきは、「洋館内を通り過ぎる少女と老人」。前者は客室、後者は食堂でプレイヤーの前に現れますが、会話パートなどは存在せず、視界に入るだけでこちらに危害を加えてくることはありません。とは言うものの、初見のインパクトは間違いなく絶大。「足を動かさずに浮遊している」、「視界に入ったかと思えば既に消えている」など、幽霊とおぼしき奇妙な演出により、少なくないプレイヤーに恐怖心を植え付けました。リメイク版となる『ポケットモンスター ブリリアントダイヤモンド/シャイニングパール』の発売を2021年11月19日に控えていることもあり、ネット上では15年越しに再び注目度が高まっています。

●ミアレシティ(ポケットモンスター X・Y)

 最後にご紹介するのは、『ポケットモンスター X・Y』(2013年/ニンテンドー3DS)の「ミアレシティのビル」です。カロス地方の大都市として栄えるミアレシティのノースサイドストリート。その通りにそびえ立つ名もなきビルには、”何かを探し求める女性”が突如として姿を見せます。

 イベントシーンは数十秒ほど。エレベーターで2階に到着すると、画面の暗転と共に黒髪・黒ワンピースの女性が出現。プレイヤーの背後から画面手前へゆっくりとスライドするように移動し、「あなたは ちがう……」とつぶやいて2階オフィスへと行方をくらまします。

 もちろんオフィスを調べても人気は全くなく、女性がどこへ向かったのかは一切分からないばかりか、プレイヤーへ投げかけたメッセージの意図も不明。加えて彼女はこの一回きりしか現れず、作中で真相が明かされることはありません。いちおう「クノエシティ」近辺の男性から関連性を匂わせる怪談を聞くことができるものの、そちらも結局は全容が分からずじまいのまま。大部分が謎に包まれているからか、ミアレシティのビルは上記の洋館と同様、コミュニティ間で考察されやすいホラースポットとしても有名です。

「ポケモン」シリーズには今回ご紹介したホラースポット以外だけでなく、恐怖心を掻き立てる演出、ファンの間で語り継がれてきたウワサ話がたくさんあります。都市伝説やウワサ話は信ぴょう性や情報の発生源に注意するべきかもしれませんが、本編に採用された設定が気になる方は、ポケモン公式運営による「実録 ポケモンホラースポット」(Webページ)をチェックしてみてはいかがでしょうか。

(龍田優貴)

【画像】ホラースポットがある『ポケモン』タイトル

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