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20世紀ジャンプ作品の名脇役たち。読者にも希望を与える存在だった…?

「週刊少年ジャンプ」人気作の主人公たちが強敵と戦う時、そばには必ず頼りになる仲間がいました。20世紀の週刊少年ジャンプ作品で主人公たちを支えた名脇役たちを3人紹介します。

どんな敵が相手でも、決して逃げなかった

(画像:写真AC)
(画像:写真AC)

「週刊少年ジャンプ」の大人気作の主人公たちが強力な敵と戦う時、そばには必ず頼りになる仲間がいました。20世紀の「週刊少年ジャンプ」で主人公たちを支えた名脇役たちを3人紹介します。

●『DRAGON BALL』クリリン

 主人公・孫悟空の頼りになる仲間として長く活躍を続けたクリリンは、魅力的なキャラクターが数多く登場する『DRAGON BALL』のなかでも屈指の人気を誇ります。戦士としては気のコントロールに長けており、特に高い切断力を持つ気円斬はベジータやフリーザすらも模倣するなど、力を技で補って激戦を戦い抜きました。

 物語序盤、悟空とともに亀仙人に弟子入りしたクリリンは、厳しい修行を重ねるなかで悟空の無二の親友となり、実力を高め合いました。天津飯が優勝した第22回天下一武闘会の終了後にクリリンが死体で見つかったシーンは、それまで「殺し合い」の概念がほとんどなかった本作において、大きなターニングポイントとなっており、読者に大きな衝撃を与えました。

「サイヤ人編」への突入後は、地球を襲撃してきたナッパ、ベジータを迎撃し、ヤムチャを殺したサイバイマンを数体まとめて倒すなど、地球人最強クラスの実力を見せつけています。サイヤ人との戦いを生き残り、ナメック星へと舞台を移した後は、ナメック人の最長老に潜在能力を引き出され、地球人最強の力を手に入れました。しかし強力な宇宙人たちには及ばず、善戦むなしくフリーザの手により殺害されてしまいます。

 一方、このことが悟空がスーパーサイヤ人へと覚醒させるきっかけとなり、結果的にフリーザの撃破へとつながりました。その後は「人造人間篇」で18号と結婚し、娘をもうけるなど戦いからは離れてしまいますが、長く悟空の友人であり続けました。

●『DRAGON QUEST -ダイの大冒険-』ポップ

「ジャンプ作品で最も成長したキャラクターは誰か」と尋ねられれば、ポップの名前を挙げる人は多いでしょう。初登場時には「メラゾーマ」の呪文を習得しており才能の片りんをのぞかせていましたが、どこか頼りなく、危険が迫ると逃げ出すような臆病者として描かれていました。

 しかし、クロコダインに襲撃された際に出会ったまぞっほの言葉に勇気を奮い起こし、ダイを助けるべく戦いに向かいます。その後も、ダイやマァムとともに多くの戦いをくぐり抜けながら大魔導士マトリフに師事し「メドローア」(極大消滅呪文)を習得するなど、最終決戦時には仲間たち全員から切り札としての期待を寄せられるほど大きな成長を遂げています。

 連載時には、当時の編集長から「さっさと殺そう」と作品からの退場を迫られており、担当編集者と原作者の三条陸先生が必死に抵抗したというエピソードがあります。果たしてポップが死んでいたら、『ダイの大冒険』は令和の時代に再アニメ化されるほどの人気作品となっていたのでしょうか?

 おそらくそうはならなかったのではないでしょうか。勇者でも王族でもない、ただの鍛冶屋の息子であるポップの活躍こそが、当時の読者を勇気づけ、世代を超えて親しまれる人気作へと成長させたといっても過言ではないでしょう。

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