ゲームの怖い裏設定4選 作品のイメージが一変、病的に悲惨な設定も…
生々しい狂気を感じるシューティングゲームの裏設定
●『首領蜂』
『首領蜂(どんぱち)』は、弾幕シューティングの金字塔である『怒首領蜂(どどんぱち)』の前作。シューティングゲームはストーリーを意識することが少ないジャンルかもしれませんが、この『首領蜂』では戦う背景がちゃんと設定されています。
家庭用移植版の説明書によると、主人公が所属する部隊は、軍隊から選ばれた戦闘のエキスパート。そしてその任務は、“異星人を装って味方軍を襲撃する”というものでした。軍隊レベルを引き上げるために味方同士で殺し合うという、荒唐無稽な軍事演習なのです。
つまり、ゲームでプレイヤーが倒していた敵は、実はすべて味方。知らずにプレイしていた人にとっては、なかなかに衝撃的で悲惨な設定です。
●『R-TYPE』
最後は、横スクロールシューティングゲームの人気シリーズ『R-TYPE(アール・タイプ)』です。本作のおおまかなストーリーは、地球の存亡をかけて敵勢力「バイド」と死闘を繰り広げる、というもの。しかし、プレイ時にはあまり表立って知らされない設定も、非常に細かく作られています。
敵である「バイド」は、有機物・無機物を問わず浸食し、“バイド化”させてしまうという設定。しかしバイド化した人間は、実は人間としての意識をいくばくか保っています。そのため、「バイドになっても地球に帰りたい、しかし人々には銃を向けられてしまう」という悲惨な展開が、作中の世界で起きていることになっているのです。
そして本作は、パイロットの設定があまりにも病的なものとなっています。シリーズ2作目のゲームボーイ移植版の説明書によると、「機体の性能に普通の人間は耐えられないため、パイロットは四肢を切断された状態で乗せられている」という設定。
さらに、シリーズ3作目は、「肉体年齢を14歳で固定された23歳の女性パイロットが機体に直結されている(ただし、ゲーム内における軍は否定しており、真相は定かではない)」という設定です。
命がけで戦うことを示すための設定なのかもしれませんが……ただ単にグロテスクなだけでなく異常な生々しさがあり、開発者の狂気がにじみ出た結果と言えるでしょう。
(古永家啓輔)