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孫悟空の兄・ラディッツが「弱虫」と呼ばれる理由。性格や姿勢に原因が…?

実力はあったのに「弱虫」なラディッツが残した功績

 ナッパが「弱虫ラディッツ」とバカにしていたことがあります。これはどういう意味なのでしょうか?

 それはラディッツがその言葉通り、弱い者としか戦ってなかったからと考えられます。

 好戦的だと言われてるサイヤ人ですが、強い者に挑む気持ちは必ずしも全員に備わっているものではありません。特にラディッツは殺されそうになると助けてくれと懇願しましたし、何よりもスカウターの警報数値を自分の実力より低く設定していたようです。

 公式ではラディッツの戦闘力は1500。ところが、カプセルに閉じ込められて暴れた悟飯の戦闘力は710と半分にも及びません。また悟空とピッコロの戦闘力が、まだ自分より低いというのに上昇させるたびにおどろき、圧倒していた序盤の戦いと違って後半は押されまくりでした。

 ここから想像すると、ラディッツは極度の怖がり、戦闘力によほど開きがある相手以外にはビビッてしまうのだと考えられます。

 どうしてそうなったのでしょうか? それはベジータとナッパに原因があるのかもしれません。

 ベジータもナッパも戦いを楽しんでいました。つまり一緒に行動するラディッツはふたりに任せれば戦わずに済むわけです。しかし戦わなければ強くなれない。そう考えると、ラディッツは子供のころから、大して戦闘力を上げていないと考えられます。

 子供時代にシッポを鍛えていた悟空と比べても、いまだにシッポを鍛えていなかったことを考えると、強くなるよりも楽をしたい……という性格が感じられませんか?

 悟空が良い師匠、環境に恵まれて努力で戦闘力を上げていたのに比べ、ラディッツは子供の頃の才能だけで楽をして生き延びてきたと考えられます。そう思うと、ナッパの「弱虫ラディッツ」という発言も納得できますね。

 そして、父親バーダックによく似た悟空に対して、ラディッツは髪形を見ると母親のギネに似ています。母親似だとすると、戦闘に向いていないという性格も遺伝していたかもしれません。逆に体力的には優秀な戦士だったバーダックの血を受け継いでいたため、子供のころはある程度強かったとも考えられます。

 以上のことから、ラディッツの強さにブレーキをかけていたのは、自分自身だったということでしょう。

 もしも、ラディッツに少しでも向上心があったら、主人公の生き別れの兄という絶好のポジションで人気が出ていたかもしれません。しかし、作品的にはサイヤ人襲来が最終回になってしまいますね。そう考えると、ラディッツの弱さがその後の『ドラゴンボール』の人気を作り出したといっても過言ではないでしょう。

(加々美利治)

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