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『ガンダムSEED』キラのMS「フリーダム」が最強である、シンプルな理由

「自由」の名を持つキラの剣

 このフリーダムの最大の特徴は「N(ニュートロン)ジャマーキャンセラー」搭載MSであることです。これによりフリーダムはNジャマーの影響を受けません。

 Nジャマーとは、プラント側が地球圏にバラまいた装置で、核分裂を抑制させることによって核兵器や原子力発電を使用不可にすることができます。

 さらに電波妨害によるレーダーの無効化で精密誘導兵器の使用を妨げ、有視界接近戦闘、つまりMS中心の戦闘を引き起こしました。

 いわゆる宇宙世紀で言う「ミノフスキー粒子」と「南極条約」を合わせた舞台装置です。

 このNジャマーキャンセラーにより、他のMSと違い核エンジンで起動するフリーダムはパワーや稼働時間など、あらゆる面でバッテリーを動力源としていた従来のMSを超えた存在になりました。さらにエネルギー供給は無限とする記述も多く、ほぼ無限機関となっています。このことからも現代の核機関とは、まったく別のテクノロジーと考えられるでしょう。

 ちなみに、このNジャマーキャンセラーを完成させたユーリ・アマルフィは戦争穏健派で、当初は兵器としての使用を反対していたそうです。しかし、息子であるニコル・アマルフィがストライクとの戦いで戦死したことで一転して搭載に踏み切った……という設定があります。

 この強力すぎるMSを手に入れたことで、キラは「できるだけ相手を殺さない」という誓いを立て、以降の戦いで実践することになりました。最初の戦いとなったアラスカで、かつて目の前で難民船を撃墜したという因縁の相手であるイザーク・ジュールのデュエルに対してでさえ、戦闘力を奪うだけにとどめています。

 その後も破竹の勢いで戦場を駆け抜け、フレイのことで動揺していた後期GAT-Xシリーズ3機との戦いと、最終決戦でのラウ・ル・クルーゼのプロヴィデンス以外からは、大きなダメージを受けていません。

 前述のプロヴィデンスとの戦いで大破しますが秘かに修復され、次回作『機動戦士ガンダムSEED DESTINY』で再び登場しました。そして、かつての主役機らしい活躍を劇中で何度も見せます。

 ところが、このフリーダムが最期を迎えるきっかけは、皮肉なことに暴走状態になってしまったデストロイに攻撃したことで、パイロットのステラ・ルーシェが亡くなってしまったことでした。これをきっかけにフリーダムを復讐の対象としたシン・アスカは、徹底的にキラの動きを研究した結果、インパルスでの撃墜に成功します。

 こうしてフリーダムは撃墜されますが、インパルスの攻撃が命中する直前にキラが原子炉閉鎖ボタンを押していたため、核エンジン爆発という最悪の事態は避けられました。そして、九死に一生を得たキラは、フリーダムの後継機である「ZGMF-X20A ストライクフリーダム」へと乗り換えます。

 最終的には撃墜されてしまいましたが、苦戦らしい苦戦も少ないうえに、次回作へまたがっての活躍と、「ガンダム」シリーズの主役機のなかでも破格の扱いでした。その無双ぶりが、フリーダムの人気の秘密なのかもしれません。

(加々美利治)

【画像】上海の「フリーダム」立像を1/100で立体化(5枚)

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