ザクの系譜を受け継ぐMSにつけられた、「06」という数字の法則とは?
ガンダムシリーズでもっとも有名な量産型MS「ザク」。その型式番号である「06」は、その後も各シリーズで活躍する量産型MSに引き継がれました。そのザクの系譜に注目すると、ある法則が見えてくるのです。
ザクにつけられた「06」の意味
「MS-06 ザクII」といえば、『機動戦士ガンダム』に登場した量産型MS(モビルスーツ)。やられ役でありながら、主役メカであるガンダムと肩を並べるほどの存在として、みなさんもよくご存知のことと思います。
しかし、このザクの「06」という型番に注目したことはありますでしょうか? この数字に注目すると、ガンダムシリーズの意外な歴史が見えてくるのです。
もともとザク、というかMSには型式番号はついていませんでした。それが最初に設定されたのは、ガンダムの「RX-78」です。これは第1話脚本でカットされた、ブライトがガンダムを軍のコードネームである「ガンダーX78」と言ったセリフをふくらませ、劇場版第1作公開前に発表さたものです。その後、劇場版第1作のパンフレットでザクの型式番号が「MS-06」と掲載されます。
こうして型式番号が設定されたザクは、その後に書籍『ガンダムセンチュリー』でそれまで旧ザクと呼ばれていたタイプを「ザクI」としたことから、「ザクII」と呼称されるようになりました。この書籍でザクのバリエーションも設定され、06の後に地上用はJ、高機動型はRといったように、アルファベットが入ることで用途の違う機種を表現するフォーマットも確立します。
それから、当たり前のようにMSに型式番号が設定されるようになりました。この軍用機のような型式番号が、MSのリアル感を増していったわけです。
そして時代は流れ、新シリーズ『機動戦士Zガンダム』がスタートしました。この時、最初に発表されたMSの型式番号に前作との関連性があったことにお気づきでしょうか?
RX-78 ガンダム→RX-178 ガンダムMk-II
MS-06 ザク→RMS-106 ハイザック
MS-09 ドム→RMS-099 リック・ディアス
MS-17 ガルバルディα→RMS-117 ガルバルディβ
このように、最初に発表された4機の新型MSは、前作のMSの型式番号を意識して作られていました。
その後も、後続のMSのなかにはこの数字を意識的に取り入れたと思われるものが多々あります。特に「06」という数字は始祖であるザクの系譜、すなわち最初にガンダムと戦う宿命を背負った量産型MSにつけられるようになりました。
もちろん、この定義は絶対ではありません。なぜなら『機動戦士ガンダムZZ』では「AMX-006 ガザD」と符合しますが、『機動戦士ガンダムF91』では「XM-06 ダギ・イルス」となるので、法則とは一致しません。
しかし「06」という数字で作品を見ていくと、ガンダムシリーズにはある程度の法則があることがわかります。