東京五輪の今こそFC版『ハイパーオリンピック』をプレイ! 連打で手がつりそうに…
1985年にファミコンで発売された『ハイパーオリンピック』は、ボタンを早く連打するという単純かつ洗練されたゲームで、当時の子供たちを夢中にさせました。専用コントローラ「ハイパーショット」の人気も高く、子供たちは試行錯誤を繰り返していました。そして2021年、約35年ぶりに『ハイパーオリンピック』を手に入れた筆者は…?
多くのプレイヤーが「試行錯誤」に挑んだ
1984年のロサンゼルスオリンピックの開会式で宇宙飛行士がロケットで空を飛び、会場に降り立った瞬間は今でもはっきりと覚えています。あれはまさに、人類の力強い未来を示す演出でした。
その翌年、1985年にコナミ(現:コナミデジタルエンタテインメント)から発売されたファミコンのカセットが『ハイパーオリンピック』です。1983年に発売されたアーケード版を移植したタイトルで、アーケード版では100メートル競走、走幅跳び、やり投げ、110メートルハードル、ハンマー投げ、走高跳びの6種目が実装されていましたが、ファミコン版では100メートル競走、走幅跳び、やり投げ、110メートルハードルの4種目となっています。
ゲームの基本は「ボタンの連打」。早く連打することでより速く走り、より遠くに飛べるという単純な仕組みであるため、アーケード版の頃からさまざまなな連打方法が試行錯誤の末に生み出されてきました。プレイヤーの間では金属製の定規をしならせてボタンをはじく行為も行われ、筐体を痛めてしまうことが多かったそうです。
ファミコン版では通常のコントローラよりはるかに大きなボタンが備えられた専用のコントローラ「ハイパーショット」が同梱されていましたが、アーケード版の教訓をふまえたものだったのかもしれません。ファミコン本体のコントローラは直付けなので、壊れたら本体ごと修理に出さなければいけないのです。同梱の判断はコナミの英断と言えるでしょう。
さて、そんな『ハイパーオリンピック』を筆者は約35年ぶりに手に入れました。もちろん「ハイパーショット」も一緒です。まだ連射機能つきのコントローラーは「ジョイボール」くらいしかなかった時代、さまざまな手段で連射速度を上げようと必死になっていた記憶がよみがえってきます。
筆者が当時試していたのは手を痙攣(けいれん)させる「痙攣打ち」、人差し指と中指で交互に連打する「ピアノ打ち」、軽く拳を握り、高速で左右に動かし爪をこすりつける「こすり打ち」の3種類でしたが、せっかく『ハイパーオリンピック』が手元にあるので、各競技ごとにどの打ち方が適しているのかを試してみました。