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『鬼滅の刃』最期に炭治郎の優しさに触れた鬼たち 何を思うのか…?

強さを誇る十二鬼月にも沁みる炭治郎の優しさ

●那田蜘蛛山の鬼:家族ごっこの果てに…

 那田蜘蛛山での戦いでは、最期に炭治郎の優しさに触れる鬼が2体います。

 一体は、下弦の伍・累を中心とした蜘蛛の能力を使う鬼の一家の母親役の鬼です。彼女は糸を使って人を操り人形のように動かして人間を殺していました。しかし炭治郎と伊之助を倒すのに手間取ったことで累の叱責を受け、焦ってさらに窮地に追い込まれたのです。累の叱責から身を守るため、人間をいとも簡単に殺してきた彼女ですが、炭治郎に切られる寸前、「死ねば解放される 楽になれる……」と、その刃を受け入れます。その姿を見て炭治郎は、「水の呼吸 伍ノ型 干天の慈雨(ごのかた かんてんのじう)」という、斬られた者がほとんど苦痛を感じない型で彼女を倒しました。崩れながら炭治郎の「透き通るような」「優しい目」に人間だった頃、自分に優しいまなざしを向け、大切にしてくれた人のことを思い出しながら最期を迎えたのです。

 もう一体は、家族の末子でありながら実は家族を支配している下弦の伍・累です。彼の頸を斬ったのは、炭治郎らを助けに来た水柱・冨岡義勇(とみおか・ぎゆう)でした。

 生まれつき体が弱く、歩くことすら困難だった累ですが、無惨によって鬼にされ、強い体を手に入れたのです。鬼になり人を殺した息子を憐れんだ両親は、罪を一緒に背負い心中しようとしますが、それは伝わらず、累は両親を殺してしまいます。それでも両親を求め、家族の愛情を求めた累は、ほかの鬼たちを恐怖で支配し家族ごっこをしていましたが、そこに本物の絆は生まれるはずもなく、ただむなしさだけが募りました。

 そして、最期の時、炭治郎と禰豆子の兄妹の絆に憧れ、妬み、焦がれた累の小さな背中に、炭治郎はそっと手を置いたのです。その「温かい……」「陽の光のような優しい手」に触れ、両親に謝りたいと心から願った累は両親の腕に抱かれながら地獄の炎に包まれました。

●堕姫と妓夫太郎:『鬼滅の刃 遊郭編』で涙腺崩壊

 TVアニメの放送が待ち遠しい『鬼滅の刃 遊郭編』にも、最期に炭治郎の優しさに触れる鬼が登場します。

 音柱・宇髄天元(うずい・てんげん)とともに遊郭で上弦の陸・堕姫(だき)と妓夫太郎(ぎゅうたろう)らと死闘を繰り広げた炭治郎が頸だけになったふたりを見つけた時、兄妹は、激しくののしり合っていました。

 堕姫は、兄の容姿をさげずみ、妓夫太郎は妹の弱さを責め、ついには堕姫の存在を完全否定し、「お前なんか生まれてこなけりゃ良かっ……」と言いかけた時、炭治郎が手でそっと妓夫太郎の口をふさいだのです。「嘘だよ」「本当はそんなこと思ってないよ」「全部嘘だよ」と。

 妓夫太郎は美しい妹が自慢で大切に慈しみ、堕姫は強くて自分にだけは優しい兄を頼っていました。人間だった時、世間の誰も味方になってくれなくてもお互いがいるから生きてこられたし、鬼になってなお、ふたりでひとつの体に生き、死ぬのも同時。そんな兄妹の絆を死ぬ瞬間に壊したくないという炭治郎の優しさから始まる堕姫と妓夫太郎の人間時代のストーリーに涙腺崩壊間違いなしです。

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 下弦の伍・累を倒した後、義勇は「人を喰った鬼に情けをかけるな」と炭治郎にくぎを刺します。それに対して炭治郎は「鬼は人間だったんだから」「俺と同じ人間だったんだから」と、人間と鬼との境界線のあいまいさを指摘します。「醜い化け物なんかじゃない」「鬼は虚しい生き物だ 悲しい生き物だ」と言い切るシーンも屈指の名場面です。

※禰豆子の「禰」は「ネ」+「爾」が正しい表記

(山田晃子)

【画像】優しい炭治郎の羽織りガウンで癒やされる(6枚)

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