7/31は声優・古谷徹さんのお誕生日。芝居の転機はやはり「アムロ」だった
時代を代表する作品で輝く実力
古谷さんの代表作といえば、『聖闘士星矢』(1986~1989年)の星矢を忘れてはいけません。古谷さん自身も相当入れ込んでいたキャラで、舞台あいさつでは赤いシャツに青いジーンズという星矢のコスプレ姿を何度も姿を見せています。テレビ特番などでも飛雄馬やアムロと並んでセリフを再現するシーンがありました。
この時期はジャンプ黄金期だったこともあって、他のジャンプ作品にも登場しています。『ドラゴンボール』(1986年~1989年)のヤムチャ、『ハイスクール!奇面組』(1985~1987年)の春曲鈍、『きまぐれオレンジ★ロード』(1987年)の春日恭介など、印象深くバラエティに富んだ演技を見せていました。
そんな古谷さんの90年代の代表作が『美少女戦士セーラームーン』(1992年)の地場衛ことタキシード仮面、プリンスエンディミオンです。それまでに演じていなかったクールでキザな役回りがお気に入りで、アドリブも多かったとコメントしていました。
21世紀に入って出演作は抑えていたようですが、出演すると印象深いキャラを演じていたように思えます。
そのなかで、『機動戦士ガンダム00』(2007~2008年)のナレーションとリボンズ・アルマーク役を、「蒼月昇」という新人声優という設定で担当していました。
これはガンダムシリーズでアムロ以外は演じないという固い信念があったことが起因だったそうです。放送中はあくまでも古谷さんとは別人として通していましたが、放送終了以降は正式に公表しました。ちなみに名前の由来は、古谷さんが隊長をしていたオンラインゲームの部隊名「蒼月隊」からとってきたそうです。
さらに近年では『名探偵コナン』(1999年~)の安室透(降谷零)ことバーボンが一般にも広く知れ渡る有名キャラになりました。メインキャラとなった劇場版22作目『ゼロの執行人』(2018年)では「安室透を100億の男に」という呼びかけがあり、劇場に何度も行く女性ファンを「安室の女」と呼ぶムーブメントがあったのは記憶に新しいことと思います。
ほかにも『ONE PIECE』(2000年~)のサボは、主人公ルフィの義兄で物語の中心に位置する重要キャラなので、これからの活躍も期待できるでしょう。
アニメではありませんが、スーパー戦隊シリーズ30作目を記念して生み出されたアカレッドの声も古谷さんでした。これまで35作目『海賊戦隊ゴーカイジャー』(2011年)ではゲスト出演、40作目『動物戦隊ジュウオウジャー』(2016年)では映像特典で登場していたので、45作目のメモリアルである今年2021年も、どこかで登場するかもしれません。
こうして古谷さんの経歴をあらためて振り返ると、主演の多さもさることながら、時代を代表する作品にいくつも出演していることに気づきます。そして、年齢を感じさせない少年役の多さも魅力のひとつでしょう。これからのますますの活躍を期待して、重ねてお誕生日をお祝いしたいと思います。
(加々美利治)