【漫画】打ち切りを経験して… “自主連載”を1年続けた漫画家が体験談を公開
“自主連載”というかたちで出版社を介さずに作品を発表し、電子書籍ストアで自費出版もしている小雨大豆さん。連載の開始から1周年を迎えたことをきっかけとして、これまでの個人出版の活動を振り返る体験談を公開しています。
打ち切りの概念が存在しないのが“自主連載”の最大のメリット

小雨大豆さん(@kosamedaizu)は、『月歌の始まり』という作品を“自主連載”している漫画家。「pixivFanBox」で公開しているほか、Amazonでは自費出版というかたちでKindle版を販売し、その作品はTwitterでも公開されています。
独自の活動に興味を持った漫画家仲間に「個人出版どうなの?」と質問された小雨大豆さんは、作品の1周年を機に“自主連載”や自費出版にまつわる体験談をエッセイマンガとして公開。読者からも「大変参考になりました」「これからも応援していきます」といったコメントが寄せられています。
作者の小雨大豆さんに、お話を聞きました。
ーー小雨大豆さんがマンガを描き始めたきっかけを教えて下さい。
高校の頃、風呂上がりに「コレだ!」というアイデアを思い付き、それを実現したくて今のシリーズに通じるマンガを描き始めました。『九十九の満月』『月歌の始まり』と10年近くそのアイデアを実現するために描いていますが、未だにそのアイデアのところまでは進んでいません。
ーー“自主連載”や自費出版を始めたのは、どのような経緯からでしょうか?
前作『九十九の満月』は、6年間にわたり「ニコニコ漫画(公式)」でやらせていただきました。連載は数字も良かったおかげで続けさせてもらったのですが、単行本の売り上げのほうは芳しくなく単行本だけ休巻といういびつな感じで連載が終了しました。
それで、完全に“出版ベース”でやると打ち切りがあるぞということが分かり、個人で始めることにしました。打ち切りがないのは素晴らしいです!
ーー出版社を通さない電子書籍の販売を始めるときに、苦労した点や難しかったことは何かありましたか?
苦労した点や難しかった点は特にありませんでした。今は販売代行会社として「ナンバーナイン」さんなどがあり、原稿をフォーマット通りに作れば何十というサイトで販売してくれるので、特に技術的なハードルはありませんでした。便利な時代です。
ただ誰もやってない漫画家としての生き方なので予測がつかず、めちゃくちゃ不安でした。というか今でも全然不安です。

ーー“自主連載”を1年間続けることができた原動力は何でしょうか?
前述の通り、「高校生の時に思い付いたアイデアを実現させるぞ!」というのがベースになる思いですが、直接の力になってるのはファンのみなさんの支えです。綺麗ごとだけではなく純粋に生活費と活動費がまかなえているので安心できますし、「ファンから直接お金をもらっている以上、がんばらねば!」という思いで楽しく取り組めます。
長期連載はモチベーションを上げるよりストレスを減らしたほうが良いペースで描けるので、思い込みすぎないようにも心掛けています。
ーー作品に対する読者からの反応で、特に印象に残った声があれば教えて下さい。
作品の制作で心掛けているのが「万人受けしなくとも趣味の合う人に深く刺さるマンガを描く」ということなのですが、それのおかげか10年以上追いかけていただいているファンの方や、「pixivFANBOX」で応援してくれる人が多いのが本当にうれしく、また感謝しております。
なので皆さんに無料でも公開しているので、ぜひ1話だけでも読んでいただきたいです。趣味が合えばきっと刺さる作品になるはず! 合わなくてもまあ面白いとは思うので……ね?
ーー今後、Twitterで発表される作品については、どのように活動していきたいとお考えでしょうか?
今、1年経って思うのは全然進行してないな……という感想です。なのでマンガを個人で週刊ペースを維持して描き続ける。それを20年くらいは続けていきたいと思っています。
ほんと打ち切りがないのはありがたいです。
これからも楽しんで描くので頑張って読んでください!
(マグミクス編集部)