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追悼 声優・鈴置洋孝さんが演じた二枚目たち 「日本の二大フッ声優」とは?

8月6日は2006年に亡くなった鈴置洋孝さんの御命日です。鈴置洋孝さんは、かつて二枚目声優として活躍。独特の低い声で演じたキャラの数々は、ファンを大いに魅了しました。その活躍を振り返り、いくつかの功績を思い出してみたいと思います。

万丈とブライトで声優として不動の地位を築く

『機動戦士ガンダム』ブライト・ノア役 画像は『機動戦士ガンダムUC 虹にのれなかった男』(シナリオ:福井晴敏、マンガ:葛木ヒヨン/KADOKAWA)
『機動戦士ガンダム』ブライト・ノア役 画像は『機動戦士ガンダムUC 虹にのれなかった男』(シナリオ:福井晴敏、マンガ:葛木ヒヨン/KADOKAWA)

 8月6日は2006年に亡くなった声優の鈴置洋孝(すずおき・ひろたか)さんの御命日です。わずか56歳という短い生涯でしたが、その輝かしかった足跡を改めて振り返ってみましょう。

 鈴置さんが声優としてデビューした作品は『超電磁マシーン ボルテスV』(1977年)で、まだ当時は複数のアルバイトをかけもちしていたそうです。そんな鈴置さんにチャンスが訪れたのは、その翌年『無敵鋼人ダイターン3』(1978年)で主人公の破嵐万丈を演じたことがきっかけでした。

 万丈は実に鈴置さんの魅力を引き出したキャラで、キザな二枚目という基本的なスタンスから、三枚目的なギャグキャラクター、情に厚い熱血漢、復讐心から敵であるメガノイドを憎み続ける激しさなど、さまざまな表情を見せています。その後に演じることになる鈴置さんのキャラクターたちのベースになった。それくらい、いろいろな演技を見せています。

 この万丈の演技がスタッフから評価されたのか、後番組となる『機動戦士ガンダム』(1979年)のブライト・ノアは、オーディションなしに決まりました。このブライト役が鈴置さんの出世作、代表作となったのは、みなさんもご存知のことでしょう。そして、その後も長く続くことになった「ガンダム」シリーズでもブライト役を続け、ゲームなどでの出演を考えると、もっとも多く演じる機会があった役かもしれません。そして、この頃には声優だけで生活できるようになったと後に語っていました。

 この後、鈴置さんは順調に二枚目役声優として活躍していきます。『戦国魔神ゴーショーグン』(1981年)の北条真吾、『まんが 水戸黄門』(1981年)の佐々木助三郎、『超時空要塞マクロス』(1982年)のリン・カイフン、『機甲創世記モスピーダ』(1983年)のイエロー・ベルモント、『超時空世紀オーガス』(1983年)のオルソン・D・ヴェルヌなどが、当時ファンの間で話題になっていた役でしょうか。本当に二枚目役ばかりです。

 そのなかでも熱い注目を集めていたキャラといえば、『キャプテン翼』(1983~1986年)の日向小次郎でしょう。いわゆる「キャプ翼ブーム」で作品自体も盛り上がっていましたし、この小次郎役で鈴置さんのファンになったという人も少なくなかったです。作品は何度もリメイクされて声優も交代していますが、いまだに小次郎というと鈴置さんを思い出す方も多いことでしょう。

【画像】声優・鈴置洋孝さんが演じた人気キャラ

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