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ビジュアルは文句なし! マンガ実写化キャスト5選「原作から飛び出してきた?」

マンガの実写化のキャスティングは極めて困難な作業です。「似ている」俳優さんがまずいるかどうか。いたとしてキャスティングできるか。できたとして演技はどうなのか。幾多もの壁を乗り越えなくてはならないのです。そんな壁を乗り越えビジュアル文句なしとされた奇跡のキャスティングをご紹介します。

少年マンガ特有のド派手なビジュアルを見事再現したのは…

著:空知英秋『銀魂―ぎんたま―』第9巻(集英社)
著:空知英秋『銀魂―ぎんたま―』第9巻(集英社)

 好きなマンガの実写化が発表されたとき、もっとも心拍数が上がる瞬間はキャスティング発表の時でしょう。ずしり不安がのしかかるまぶたを祈るように開けて配役を確認しては一喜一憂するものです。もちろん「似ている」ならそれで良いのかという議論もありますが、それはいったん傍に起きつつ、少なくともファンを安心どころかむしろ乱舞させた「ビジュアル文句なし」キャスティングをご紹介して参ります。

●『NANA』の大崎ナナ役:中島美嘉

 予告編が発表された時、そのあまりの「生き写し」ぶりに騒然となったのが『NANA』(原作:矢沢あい)の主人公のひとり・大崎ナナを演じた中島美嘉さんです。矢沢あい先生の筆先から生じたとしか思えぬ佇まいにはただただ衝撃でした。本稿は「ビジュアル」に関する記事ですので歌唱や演技について語れないのが歯がゆいところではありますが、ハチ役の宮崎あおいさんの柔和な雰囲気もまた陰陽図のような隙のないキャスティングだったと言えます。

●『銀魂』の沖田総悟役:吉沢亮

 少年マンガの登場人物はいかんせん派手なビジュアルが多く、実写となると三次元との齟齬が生じやすく、下手すれば「コスプレ」とやゆされかねません。そんななか『銀魂』(原作:空知英秋)のキャスティングは概ねしてファンからも好意的に迎えられており、プロデューサーの手腕が発揮された作品でした。主演のお三方はもとより、こと沖田総悟役の吉沢亮さんのキャスティングはまったくお見事で「いいじゃないの! ねえ!」と思わず往来の人に同意を求めたくなるほど。嗜虐(しぎゃく)性すらにじむ目元なんかはもう完璧といっても良いのではないでしょうか。

●『ピンポン』のアクマ役:大倉孝二

 映画『ピンポン』(原作:松本大洋)はペコ役の窪塚洋介さん、スマイル役の井浦新さんの演技も凄まじいものでしたが、アクマ役を演じた大倉孝二さんは瞠目ものでした。海王学園は全員坊主。そのため差別化は難しいようにも思えたのですが、目つきや唇の尖り方ひとつとってもアクマそのもの。さらに演技が輪をかけて素晴らしいのですが……やはり割愛させていただきます。未視聴の方はぜひともご確認くださいませ。

●『のだめカンタービレ』の野田恵役:上野樹里

『のだめカンタービレ』(原作:二ノ宮知子)も、キャスト発表時の「そのまんまじゃん!」という衝撃が忘れられません。『NANA』とは対照的に原作の「のだめ」はシンプルな線で描かれているため、ビジュアルの「雰囲気」にピントを合わせ、実在の俳優さんと重ね合わせる作業は素人からすれば実に困難なようにも思えたのですが、抜てきされた上野樹里さんは「ぎゃぼー」感たっぷり。まさしくこの世界に出現した「のだめ」そのものでした。千秋様役の玉木宏さんとのツーショットも原作さながらの映え方でした。

●『釣りバカ日誌』の浜崎伝助役:西田敏行

 改めてお伝えしたいのが映画「釣りバカ日誌」シリーズの西田敏行さんです。『釣りバカ』(作:やまさき十三、画:北見けんいち)において、中年太りの体型に、朗らかなお顔立ちが、そもそも主人公・浜崎伝助そっくりだったのです。このキャスティングが『釣りバカ』人気に拍車をかけたことはいうまでもありません。さらに佐々木課長を演じられた谷啓さんも、シリーズ終盤こそ白髪となられましたが初期においてはこれまた原作そっくりのおにぎりフェイス。今ほど実写化のキャスティングについてあれこれ言われていない時代における歴史的な名采配でありました。

 冒頭、傍に置いた「似ているなら良いのか」と言う話ですが、もちろん映画やドラマですので演技力が伴ってこそではあり、本当にビジュアルに限れば最も似ていた配役は実写版『サザエさん』でアナゴさん役を演じた武蔵さんと言えるかもしれません。また『もやしもん』の美里薫はかねてより笑い飯の西田幸治さんに似ていると言われており、実際にドラマ版でも抜てきされていましたが、そもそもモデルだったということで今回は外しております。

 概観してみて分かる通り、「少年マンガ」のハードルは依然として高いまま。二次元だからこそ違和感のなかったド派手な衣装に髪型を三次元で再現するとなると、どうしても「直訳」ではなく「意訳」する必要があります。無理を通せばコスプレ、かといってそうしたマンガ的表現をそぎ落とせば実写化の意味がなくなる……そうした意味でも『銀魂』の配役は素晴らしいものだったと改めて思う次第です。

(片野)

【画像】ビジュアルは高評価!実写と原作マンガを比較

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