ウルトラマンが「武器」を持ったのはいつ頃から? ブレスレットからしゃべる剣まで…
新時代の武器は、オモチャで再現可能なリアル志向のものへ

時代は21世紀に入り、『ウルトラマンネクサス』第26話から登場したジュネッスブルーに、「アローアームドネクサス」というガントレットを思わせる装備がありました。この部分が弓のようになり、必殺技アローレイ・シュトロームを放つことができます。アイスラッガーのように身体の一部とも取れますが、このギミックを再現したオモチャが販売されました。
その次の作品『ウルトラマンマックス』第13話「ゼットンの娘」で、ゼットンに苦しむウルトラマンマックスが、ウルトラマンゼノンから授かった武器が「マックスギャラクシー」です。その形状が、前述のアローアームドネクサスと似たガントレットのような形でした。
このマックスギャラクシーの登場は、おそらく『帰ってきたウルトラマン』第18話のオマージュと思われますので、平成時代のブレスレット武器の走りだと考えられます。この武器もオモチャ化されているので、アローアームドネクサスも同系統の武器として今回紹介しました。
番組途中でパワーアップアイテムとして加わるのが、パターンだったのかもしれません。この後、『ウルトラマンメビウス』でもウルトラマンメビウスが最初から持っている変身アイテムと兼用の「メビウスブレス」が、途中でウルトラマンヒカリから託された「ナイトブレス」と合体させ、メビウスブレイブという形態に変身できるようになります。
この時期のシリーズを振り返ってみると、ウルトラマンの武器の商品化に合わせた大型化が見られます。しかし、この時期でもガントレットのような手にはめてある武器というイメージでした。そこからさらに大きく、手持ち武器となったのは『ウルトラマンギンガ』以降です。
変身アイテムであるギンガスパークが槍状の武器に変形した「ギンガスパークランス」や、続編『ウルトラマンギンガS』でウルトラマンビクトリーが使用した「シェパードンセイバー」など、この頃から手持ちの武器という方向性になりました。
ちなみにビクトリーはこのほかにも特異な武器を使います。それは右腕に怪獣の一部を宿すことができる能力。例えばEXレッドキングの拳や、エレキングのシッポ、キングジョーカスタムのペダニウムランチャーなどです。これはウルトラマンギンガがスパークドールズを使って怪獣に変わるという設定との差別化だったのでしょう。
ウルトラマンの武器の登場は定番となり、2020年放送の『ウルトラマンZ』で登場した「幻界魔剣ベリアロク」のように、「しゃべる剣」という、想像もできない武器が当たり前のように出てきます。ウルトラマンが武器を持つことは、商品展開の上で避けられないことでしょう。
劇中に出てきたものは何でも商品化されて最近の子供たちは恵まれている……子供時代にウルトラブレスレットのオモチャが欲しかった筆者はそう思います。もっとも完全変形できるウルトラブレスレットなど、現在の技術でも再現は無理でしょうね(笑)。
(加々美利治)