新番組『仮面ライダーリバイス』に受け継がれる? 「悪魔」主役の特撮2作品が残したDNA
いよいよ放送開始までわずかとなった新番組『仮面ライダーリバイス』。悪魔をモチーフに持ってきた意欲作ですが、過去にも「悪魔」を主役にした特撮番組がありました。そのふたつの作品から新番組の行方を考えます。
「悪魔」といえば…東映特撮番組の原点
2021年9月5日(日)から放送開始予定の令和仮面ライダーシリーズ『仮面ライダーリバイス』は、「仮面ライダー生誕50周年記念作品」であり、令和シリーズ第3弾の仮面ライダーとなります。
詳細な内容は明らかではありませんが、これまであまり使われたことのない「悪魔」というモチーフに期待と不安があるのか、SNSでの注目はかなり高いものになっている模様。そこで、この「悪魔」というモチーフについて、いろいろと考えてみようと思います。
悪魔というと名前の通り、悪いイメージがあり、敵側ではよく使われているものの、正義側のイメージはあまりありません。しかし、『仮面ライダー』の始祖ともいえる特撮作品もまた、悪魔の力を使って人間を守って戦うヒーローでした。
その作品こそ『悪魔くん』です。原作は水木しげる先生のマンガで、それを東映の平山亨プロデューサーがTVドラマ化したものでした。この平山さんが後に『仮面ライダー』をはじめとする特撮作品を多く手掛け、70年代に「変身ヒーローブーム」を巻き起こします。その平山さんが初めてTVプロデューサーを務めたことから、本作を東映特撮TV番組の始祖と位置づける人も少なくありません。
この『悪魔くん』では、普通の小学生の男の子である主人公・山田真吾こと悪魔くんが、悪魔メフィストを使って人間に災いをもたらす妖怪と戦う……という物語になっています。この部分だけクローズアップすると、昨今では「バディもの」と呼ばれるコンビで物語を進める展開になっていて、今回の『仮面ライダーリバイス』との共通点が見られますね。
ちなみに、特撮黎明期だった本作では原作マンガ以上に戦う敵がバラエティ豊かでした。基本的に妖怪という位置づけですが、人間大の怪人から着ぐるみを使った巨大怪獣的なものまで登場しています。当時の書籍でも妖怪と怪獣は同じもののように扱われていたので、そういう時代だったのでしょう。現代でも悪魔、妖怪、神話生物などは同一のものとして扱われることが多いので、黎明期だった当時に細かいカテゴリ分けがされていないことは仕方ないでしょう。