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“炎上”まではいかなかったマンガのボヤ騒ぎ3選「問題なし? あり?」

マンガやアニメの描写が問題視され、時に修正を余儀なくされるなんてことは昔からよくある話です。SNSが発達した現在においてその傾向はますます顕著になったと言えるでしょう。そんななか、思わず笑ってしまうようなプチ炎上も起こるもの。閉塞感を笑い飛ばせる、マンガの「ボヤ騒ぎ」をピックアップしました。

話題騒然だけど問題ナシ? 思わず笑ってしまうマンガのボヤ騒ぎ

鬼才・藤本タツキ先生が描く話題作 『チェンソーマン』第1巻(集英社)
鬼才・藤本タツキ先生が描く話題作 『チェンソーマン』第1巻(集英社)

 なかなかどうして「炎上」しやすい世の中ではあります。SNSの発達によりマンガやアニメの描写により高いコンプライアンス意識が求められるようになってきています。つい最近も、ある読み切り作品の一部が修正されたことは記憶に新しいところです。さて、そんなマンガ・アニメ業界ですが、時には「炎上」とまではいたらずとも大きな話題を集める珍騒動的な「ボヤ」(プチ炎上)がしばしば発生します。本稿では思わず笑ってしまうような、マンガのボヤ騒ぎをピックアップ。発表された当時のネットのリアクションと合わせてご紹介していきます。

●天才ゆえのうっかり? 『チェンソーマン』氷inジョッキ騒動

 令和を代表するマンガとなった『チェンソーマン』(著:藤本タツキ)。連載序盤の飲み会シーンにおける、とある描写をめぐってネットが大いに盛り上がりました。その描写とは「ビールジョッキに氷が入っている」というもの。確かに一般的にビールに氷は入れません。これに対しネットでは「作者が飲み会というものを知らないのでは……?」「いやビールを頼んだとは限らない」といった論争が巻き起こる結果となりました。細かな伏線を張り巡らす藤本先生のことだから何らかの意味があるに違いない、とあくまで故意によるものだとする声も少なくありませんでしたし、浮世離れした孤高の天才性を浮き彫りにした、という見方もありました。ミスであれ故意であれ、どちらにせよ「やっぱり天才だな」といいう結論に至る……藤本先生の才能を照らすボヤ騒ぎとなりました。

●その単語、少年誌に載せて良かったんだ!? 『エデンの檻』の騒動

「週刊少年マガジン」で連載されていた『エデンの檻』(著:山田恵庸)。少年たちのサバイバル生活を描いたこちらの作品ですが、とあるセリフが少年マンガ不文律を破ったとしてにわかに注目を集めました。そのセリフが登場するのは第46話。無人島でパニックを起こした女子が主人公に迫り「童貞のくせにバカにしやがってよぉぉぉ!! 何がクニだよ クンニしろオラァァァ」という極めて直接的な単語でもって罵倒するシーン。このセリフにネットは騒然。また同誌で『さよなら絶望先生』を連載していた久米田康治先生は『絶望先生』内でその衝撃ぶりを自虐的にネタにしています。こちらのエピソードは第6巻に収録されていますが、単行本では「ク◯ニ」と伏字処理をされてしまいました。

●文字通りすぎる『新テニスの王子様』 「ネット炎上」騒動

『新テニスの王子様』(著:許斐剛)のある描写を受け「ネット炎上」がトレンド入りする騒ぎとなりました。紛れもなくこれは「ネット炎上騒動」です。何せ本当に作中でテニスのネットが炎上したのですから。ファンタスティックなテニス表現を追求し続けてきた『テニプリ』、今回のエピソードでは豪速球がネットの縁を通過し摩擦で燃え広がったというマジカルな演出。もちろん決してギャグではありません。ただ「文字通り」すぎる炎上に「そっちのネットか」「これは紛れもない炎上」と『テニプリ』の世界観に慣れていない人々からの投稿が多く見受けられました。こちらのエピソードは『新テニスの王子様』第10巻に収録されています。

 さて、ここまで笑える範囲でマンガのボヤ騒ぎを見てきました。炎上に至らなかった理由は少なからず「これで傷ついた」と声をあげる人がいなかったから、といえるでしょう。(傷ついた人がいなかった、とは断言できません)。ただ、こうした騒動を機に新たな作品に出会えることは歓迎すべき時代の変化かもしれません。

(片野)

【画像】ギャグじゃない!? ネットが炎上した回を収録

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