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伝説のゲームシリーズ「くにおくん」あるある3選 「友人とは気まずくなる」

2021年に誕生から35周年を迎えた「くにおくん」シリーズ。たとえスポーツがテーマのソフトであっても必ずバトル要素が取り入れられる“熱血”さが特徴で、特に90年代に圧倒的支持を得た名作ゲームです。そんな「くにおくん」の魅力とともに、プレイした者ならほぼ必ず通る“あるある”をご紹介します。

プレイヤーの人間性がむき出しに

『ダウンタウン熱血行進曲 それゆけ大運動会~オールスタースペシャル~』キービジュアル (C)Million Co.,Ltd. / ARC SYSTEM WORKS
『ダウンタウン熱血行進曲 それゆけ大運動会~オールスタースペシャル~』キービジュアル (C)Million Co.,Ltd. / ARC SYSTEM WORKS

 1986年に『熱血硬派くにおくん』が発表されてから35年。数多くの作品が生み出されてきた「くにおくん」シリーズ。正義の不良である主人公・くにおが他校の生徒やライバルたちとさまざまな種類のバトルを繰り広げる名作アクションゲームです。

 その魅力はなんと言ってもキャラクター同士が己の肉体を駆使して戦う「ケンカ」アクション。シリーズには、ドッジボールやサッカー、運動会など、スポーツをテーマにしたタイトルも多くあるのですが、どんな種目になってもしっかりと殴り合いや技によるバトル要素が取り入れられています。そんな「くにおくん」には、プレイした者の多くが通る“あるある”があります。

●大運動会という名のバトルロワイヤル

 まずはシリーズのなかでも高い人気を誇る『ダウンタウン熱血行進曲それゆけ大運動会』からです。くにお率いる熱血高校、ライバルのりきが率いる花園高校など4つの高校が、街をコースにしたクロスカントリーや玉割りなどで競うというゲーム内容なのですが……とにかく「一緒にプレイした友人とは気まずくなる」ことが多いです。なぜならプレイヤー同士勝つためには、競争相手のキャラクターを殴ったり、肘打ちやキックをしたりして、競技以外の部分で足を引っ張ることが鍵になるからです。相手が梯子を登れば跳び蹴りを喰らわせ、目の前を走っていれば落ちている鉄アレイをぶつけて転ばせる。ゲームとはいえ、その内容はけっこう過激です。これを感情移入しやすい子供同士でやると、ゲームが終わった後も「あいつはこんな汚い手を使ってきた」と少なからずわだかまりが残ります。

 時には、倒れた相手が起き上がるタイミングでまた攻撃をするという「ハメ技」を繰り返す荒くれ者も現われるのですが、これをやってしまうと、それまでどんな固い友情を築いていてもリアルファイト寸前まで仲は悪化します。棒使いのごだい、龍尾嵐風脚使いのりゅういち・りゅうじなど、「ハメ技」使いのキャラに泣かされるのは誰もが一度は通る道です。

 ただ、どんなにやられてイライラしても「次は勝つ」と、またすぐにプレイしたくなるのも「くにおくん」です。

細かいハマり要素も多いくにおくん

Nintendo Switch用ソフト『くにおくん ザ・ワールド クラシックスコレクション』(C)ARC SYSTEM WORKS
Nintendo Switch用ソフト『くにおくん ザ・ワールド クラシックスコレクション』(C)ARC SYSTEM WORKS

 続いては、シリーズを通して「くにおくん」にハマってしまうポイントあるあるです。

●必殺技がカッコ良い

「くにおくん」シリーズの魅力のひとつとして必殺技のカッコ良さがあり、そこにはプレイヤーの心をくすぐる工夫が盛り込まれています。例えば技のネーミング……速いキックを蹴れる「マッハキック」、速いパンチを撃てる「マッハパンチ」、武器の連打ができる「マッハ叩き」など、子どもでもわかりやすい名前が多く覚えやすいのが特徴です。筆者は「マッハ」という言葉の意味を「くにおくん」で学びました。他にも『ダウンタウン熱血行進曲それゆけ大運動会』と並んで人気の高い『びっくり熱血新記録』では「火の玉スパイク」「大回転あたっく」「あのよいきどろっぷ」「すーぱーげんこつ」「ころころどん」「回転ちっそく飛ばし」など、ユーモアあふれる必殺技も登場しています。

 そして、これらの必殺技を出すときの効果音も絶妙で「シュイン!」「ジュワッ!」というような、ファミコンならではのキレよく耳に残る音が、技が成功したときの爽快感をより盛り上げてくれます。

●ライバルキャラクターにも愛着が沸いてくる

「くにおくん」で登場するキャラクターは、くにおとりき以外はだいたい苗字が多いです。そしてシリーズを通してその苗字と特徴は共通していることも多いため、何度もソフトをプレイするうちに、だいたいのキャラクターは苗字を聞けばすぐにイメージできるようになります。例えば「もちづき」と聞けばとにかく足の速い男。「ごうだ」と聞けば二枚目な雰囲気を持った頭突きが強い男。「にしむら」と聞けばメガネを掛けたポッチャリした男。「すがた」と聞けば少しウェーブの掛かった前髪が特徴のくにおの仲間……といった感じです。ゲーム内ではやはり、くにおとりきに圧倒的主役感があるのですが、ファンとしてはこういった“サブキャラ”への思い入れも強くなり、いわゆる“推しキャラ”が分かれるようになります。こうした世界観も「くにおくん」が愛される理由のひとつと言えるでしょう。

 現在も新しいハードに対応したリメイク作品などがリリースされている「くにおくん」シリーズ。まだプレイしたことのない方は、この熱血の世界へ飛び込んでみてはいかがでしょうか。

(吉原あさお)

【画像】懐かしい!「くにおくん」シリーズ35周年記念グッズ(5枚)

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