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超有名作家による野球マンガ 『コナン』『キャプテン翼』の作者も描いてた!

スポーツマンガで最も多いのは野球マンガです。実に500近い作品があるとされています。そのなかには意外な巨匠たちが手がけたものもあるようです。一体、どんな野球マンガだったのかをご紹介します。

登竜門だった? 大御所が若かりし頃に手がけたちょっと不思議な野球マンガたち

著:青山剛昌『青山剛昌短編集 4番サード』(小学館)
著:青山剛昌『青山剛昌短編集 4番サード』(小学館)

 世間は大谷フィーバーで沸いていますが、野球マンガの人気もまた衰えを知らず、他のスポーツマンガと比較してもその数は圧倒的です。世間的にはあまり知られていませんが実はあの超有名マンガ家も手がけていたなんてこともしばしば。本稿ではそんな誰もが知る大御所たちによる「野球マンガ」たちをご紹介します。

●主人公の名前は長島茂雄 『4番サード』(著:青山剛昌)

 ついに単行本100巻に到達の『名探偵コナン』の作者・青山剛昌先生も過去に野球マンガを手がけています。タイトルは『4番サード』。ミスタープロ野球こと長嶋茂雄氏と同姓同名の少年が主人公です。(厳密には島の字が違う)名前のせいで大した実力もないのに4番サードに抜擢され、期待に応えられず落ち込んでいる長島がどんな球でも打てるという不思議なバットを手に入れる……そんなファンタジー野球マンガです。打球の軌道演出など随所に青山先生が得意とするアクション描写が光る快作です。

●『キャプテン翼』の作者だって…『エース!』(著:高橋陽一)

 サッカーマンガの金字塔『キャプテン翼』。その作者・高橋陽一先生は実は軟式野球部出身です。そんな高橋先生が「週刊少年ジャンプ」で連載していたのが少年野球を題材とした『エース!』です。朗らかな絵柄とは裏腹、なかなかヘビーな家庭事情などを盛り込んだストーリーや特殊な必殺球など内容もバラエティに富んでいたのですが、残念ながら打ち切りとなってしまいます。小学生にして飲酒癖のあるライバルなど濃すぎる登場人物にも要注目の作品でした。

●巨匠の連載デビュー作も野球マンガ 『STRAIGHT』(著:松本大洋)

『ピンポン』『鉄コン筋クリート』などで知られる巨匠・松本大洋先生もその輝かしいキャリアの始点は野球マンガでした。「週刊モーニング」で 『STRAIGHT』という作品で連載デビューするも単行本2巻で終了してしまいます。その後、「ビッグコミックスピリッツ」に活動の場を移動し才能を開花。再び『花男』で野球マンガを描くに至るのです。

●世の中に発表していないが…井上雄彦先生も野球マンガがルーツ!

『SLAM DUNK』でバスケブームを巻き起こした井上雄彦先生ですが、そのルーツは野球にありました。小学生の頃、水島新司先生の『ドカベン』に衝撃を受けて野球マンガを描いてみたのが漫画家を目指すきっかけ。そのマンガこそ世に出ていませんが、小学6年生の時に描いた野球の絵がドキュメンタリーで公開されました。

 今や巨匠とされるマンガ家であってもそのキャリアの初期に野球マンガを手がけていることはなかなかどうして興味深いところです。長らくスポーツといえば野球だった時代が続いていたとはいえ、マンガ大国日本と野球文化の結びつきは想像以上に強いもの。大谷フィーバーを目の当たりにした今の少年少女が今後、どんな野球マンガを描くのか……楽しみです。

(片野)

【画像】現在連載中の野球マンガ

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