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映画『ザ・スーサイド・スクワッド』に詰まった、ガン監督の凄まじい「アメコミ愛」

2021年8月から公開中のアメコミ映画『ザ・スーサイド・スクワッド』は、刺激的な表現だけでなく、監督が同作に込めたアメコミ愛にも要注目です。「原作コミックを読もうぜ!」と呼びかける監督が同作で表現したものは……?

愛すべき悪役たちのなかで注目すべきキャラクター

DCコミックスに登場する悪役たちが活躍する映画『ザ・スーサイド・スクワッド“極”悪党、集結』
DCコミックスに登場する悪役たちが活躍する映画『ザ・スーサイド・スクワッド“極”悪党、集結』

「スーパーマン」や「バットマン」で知られるDCコミックスに登場する悪役たちが、チームを組んで戦うアクション映画『ザ・スーサイド・スクワッド“極”悪党、集結』が全国公開中です。

 2016年に公開された映画『スーサイド・スクワッド』はデヴィッド・エアー氏が脚本・監督を担当しましたが、本作では『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』シリーズで知られるジェームズ・ガン氏が監督を担当。クセの強いキャラクターにコメディとアクション、狂気に愛までを詰め込み、絶妙なバランスで映像化した作品に仕上がっています。

 同作に登場するキャラクターのなかでも、今後の活躍や原作コミックでの登場などで特に注目したいキャラが2人います。

 1人目は、部隊のリーダーとして登場するロバート・デュボアこと、「ブラッドスポート」。武器オタクという設定で、原作ではクリプトナイトの銃でスーパーマンをICU(集中治療室)送りにしています。

 コミックでのブラッドスポートは、何もないところから武器を転送して扱いますが、映画ではプロテクター付きのスーツのいたるところに無数の武器が仕込まれていて、武器を取り出しながら戦います。幼少期から訓練を受けてきた殺し屋というリアリティを表現するための創意工夫が込められています。

 2人目は、数々のキャラクターの中でも異彩を放つ、喋れる人食い鮫=「キング・シャーク」です。原作ではネイナウという名前で、サメの神様と人間のハーフ。サメ人間という設定であり、サメに由来する能力(素早い泳ぎや、索敵能力、怪力、治癒能力など)を備えたシリアルキラーとして登場します。

 映画では名前をナナウエに変更され、コミカルな演技と強さでチームをかき乱しつつ活躍します。映画公開後、SNSなどでは「かわいい」という声が続出しているキャラクターです。

 このキング・シャークの声を『ロッキー』『エクスペンダブルズ』などで知られるベテラン俳優、シルベスター・スタローンが担当しています。ガン監督はキング・シャーク役で大規模なオーディションを行い、何人もの声優で全編のアフレコを行ったが上手くいかず、追い詰められた時に「スタローンにお願いすべき」という考えが浮かんだそうです。字幕版では、キング・シャークに命を吹き込んだスタローンの芝居にも注目したいところです。

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