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【漫画】数えたモノが増える能力 悪者に利用されそうになるが…伏線回収が見事!

「ひとつ」と数えた指輪がふたつに増えるというように、数えたモノの数がなぜか増える力を持つ女。その能力に目をつけた男たちが、彼女を悪事に利用しようと企んで……。nakashinさんの創作マンガ『数が合わない』が好評です。

何重にも張り巡らされた“言葉”による伏線

「ひとつ」と数えたモノが“ふたつ”になる不思議な能力(nakashinさん提供)
「ひとつ」と数えたモノが“ふたつ”になる不思議な能力(nakashinさん提供)

 あるモノの数を数えると、そのモノがひとつ増える特性を持った女。たとえば、指輪を「ひとつ」と数えると、数えた指輪はふたつに増える不思議な能力です。その力に目をつけた男たちが、彼女を悪事に利用しようと企みますが…。

 nakashinさん(@Fill_no_bass)が、言葉遊びの要素を巧みに盛り込んだ作品『ショートショート漫画 vol.82 数が合わない』をTwitterで公開しました。読者から「それ伏線だったのか!」「計算され尽くしてる」「天才の発想」など高く評価されています。

 作者のnakashinさんに、お話を聞きました。

ーーnakashinさんがマンガを描き始めたきっかけを教えて下さい。

 幼稚園の年長の頃に、高熱を出して寝込んだ時をきっかけに漠然と漫画家になろうと考え始めたのですが、同時期に藤子不二雄A先生の『まんが道』を読んで漫画家を志すことに恐怖心を感じて筆を折りました。

 ですが、つい数年前に偶然耳にした『Miracle Go!プリンセスプリキュア』という楽曲から勇気をもらい「もう一度、漫画家を目指してみよう」と考え、リハビリとして育児をテーマにした4コママンガを描き始めました。いつか本物の漫画家になりたいです。

ーー今回の作品は『ショートショート漫画』の第82弾でした。まずは、こちらのシリーズ全体についてご紹介をお願いいたします。

『ショートショート漫画』は、過去に書きためていたショートショートの“小説”を“マンガ”としてリメイクしたシリーズです。

 それまで育児4コマをメインに描き続けていましたが、子供をテーマにしていると、なかなかゴア表現ができないので閉塞感を感じていました。そんな折、コロナ禍によって在宅勤務になったことで通勤時間がなくなり、まとまった時間がとれるようになりました。そこで、育児以外のマンガを描いてみようと考えたのがきっかけです。

ーー『数が合わない』のお話は、どのように生まれましたか?

 私自身が何度やってもモノを正確に数えることができない、という性質を持っていたので「もしもそういう“能力”を持った人がいたとしたらどんなドラマが生まれるかな?」という発想で考えたお話です。

自主制作の単行本『亜世界短編集 第1集』もファンに人気(nakashinさん提供)
自主制作の単行本『亜世界短編集 第1集』もファンに人気(nakashinさん提供)

ーー“最後のページ”の作り込みまで見事な仕掛けでした。この終わり方は、創作の初期の段階で決めていたものでしょうか?

 実は、このあたりの仕掛けは一度マンガを描き切った後に思い付きました。その時点では8ページで完結していたのですが、どうしてもこの仕掛けがやりたくて徹夜をして12ページに変更をしました。どのページを追加したのかは秘密です。

 なので、小説版とはオチのつけ方がまるで変わっているのですが、そういう部分が小説をマンガにリメイクするうえでの面白い点だなと思っています。

ーー作品に対する読者からの反応で、特に印象に残った声があれば教えて下さい。

「絵柄が独特だけど、面白い!」というような内容のコメントがとても印象に残っています。文脈的には「絵柄が独特」はネガティブな意味だとは思いますが、自分の絵のタッチは個性のないものだと思っていたので……どういう意味であろうと「独特」と言ってもらえたのはとてもうれしかったです。

 どこが独特なのか、機会があればご本人に小一時間ほど問い詰めたい気分ですね。

ーー今後、Twitterで発表される作品については、どのように活動していきたいとお考えでしょうか?

『バガボンド』で宮本武蔵が「俺に欠けているのはただひたすらに人を斬りまくった年月」と言っていたので、まずはクオリティは二の次でとにかく途切れることなくマンガを描き続けていきたいと思います。

(マグミクス編集部)

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